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モンスター一覧(第6章「孤毒の沼地」より登場) モンスター一覧(新6章「孤毒の浄化」より登場) 表注 モンスター一覧(第6章「孤毒の沼地」より登場) カードNo. 属性 クラス 種族 モンスター名 入手条件 OB06-001 風 ★ 悪魔 ゴースト 対/B OB06-002 土 ★ 土族 アヌー 対/B/館 OB06-003 火 ★ 悪魔 シャックル 対 OB06-004 土 ★ 悪魔 ミラ ア OB06-005 土 ★★ 悪魔 カーミラ 対 OB06-006 土 ★★★ 悪魔 レディ・カーミラ C OB06-007 風 ★ 魔法使い キャミネコ 対 OB06-008 風 ★★ 魔法使い キャミ C OB06-009 風 ★★★ 魔法使い 魔女キャミ C OB06-010 火 ★★★ 魔法使い 悪魔女ギャミス ア OB06-011 水 ★ ドラゴン 白竜のタマゴ 対/B/館 OB06-012 水 ★ ドラゴン パール C OB06-013 水 ★★ ドラゴン パドラ C OB06-014 水 ★★★ ドラゴン ホワイドラゴ ア OB06-015 水 ★★★★ ドラゴン ホワイトドラゴン ア OB06-016 土 ★★ 戦士 ダイヤ 対/B OB06-017 土 ★★★ 戦士 光の戦士ダイヤ C OB06-018 水 ★★ 戦士 聖堂騎士ユーグ 対 OB06-019 水 ★★★ 戦士 聖堂騎士長ユーグ C OB06-020 土 ★★ アンデッド ゾンビ ア+合 OB06-021 土 ★★★ アンデッド ゾンビビ C OB06-022 火 ★★ アンデッド デュラ 合 OB06-023 火 ★★★ アンデッド デュラハン C OB06-024 火 ★★★★ アンデッド 首無騎士デュラハン ア OB06-025 土 ★★ 土族 黒騎士エッジ 合 OB06-026 土 ★★★ 土族 暗黒騎士エッジ C OB06-027 土 ★★★★ 土族 魔界騎士エッジ ア OB06-028 風 ★★ 魔法使い 僧侶クリフ 合 OB06-029 風 ★★★ 魔法使い 大僧侶クリフ C OB06-030 風 ★★★★ 魔法使い 賢者ソロン ア+合/期間限定 OB06-031 土 ★★ アンデッド フランケンボーイ 対/B OB06-032 土 ★★★★ アンデッド フランケン ア/期間限定 OB06-033 火 ★★★ 戦士 シモン ア OB06-034 土 ★★★ 悪魔 ピラミッドヘッド 対 OB06-035 土 ★★★★ 戦士 無幻銃士ダルタン ア/期間限定 OB06-036 土 ★★★★ 悪魔 魔帝アブシール ア OB06-037 土 ★★★★ 戦士 ロキ ア+合/期間限定 OB06-038 土 ★★★★ ドラゴン 猛毒竜ベヒモス ア OB06-039 土 ★★★★ ドラゴン 漆黒竜ファヴニール ア+合 OB06-040 土 ★★★★ アンデッド 魔皇トカイ B OB06-041 土 ★ 土族 カボタン 対 OB06-042 土 ★★ 土族 カボランタン C OB06-043 土 ★★★ 土族 ジャックランタン ア OB06-044 火 ★★★ ドラゴン ダークドラゴ ア OB06-045 火 ★★★★ ドラゴン ダークボーンドラゴン C OB06-046 土 ★★ 戦士 獣戦士ライオ 対 OB06-047 土 ★★★ 戦士 百獣戦士ライオ ア OB06-048 火 ★★★ 悪魔 アイアンメイデン ア OB06-049 土 ★★★★ アンデッド 獄王閻魔 ア+合 OB06-050 土 ★★★★ アンデッド 邪帝トカイ ア モンスター一覧(新6章「孤毒の浄化」より登場) カードNo. 属性 クラス 種族 モンスター名 入手条件 OB06-051 土 ★ スライム スライム・エンジェル 合 OB06-052 水 ★ 獣 トロ 対 OB06-053 水 ★★★★ 獣 オルトロス ア OB06-054 土 ★ アンデッド アルラ 対/B OB06-055 土 ★★ アンデッド アルラウネ B OB06-056 土 ★ アンデッド 鬼竜骨 対/B OB06-057 土 ★★ アンデッド ネクロ C OB06-058 土 ★★★ アンデッド ネクロドラゴ C OB06-059 土 ★★★★ アンデッド 鬼竜ネクロドラゴン C OB06-060 土 ★★ 天使 天戦士クレイ 対/B OB06-061 土 ★★★ 天使 天騎士クレイ B OB06-062 火 ★★ 天使 カマエル 対/B OB06-063 火 ★★★ 天使 能天使カマエル C OB06-064 風 ★★ 魔法使い ライム 合 OB06-065 風 ★★★ 魔法使い ライム・ジェスター C OB06-066 水 ★★ 土族 トリケラ 対 OB06-067 水 ★★★ 土族 恐竜戦士トリケラ ア OB06-068 火 ★★★★ アンデッド ケルヌンノス 対/ア OB06-069 土 ★★★★ 召喚士 死霊使いワイト 合 OB06-070 水 ★★★★ 天使 イシス 合/B OB06-071 風 ★★★★ 天使 巨天使メタトロン ア OB06-072 風 ★★★★ 天使 巨天使サンダルフォン ア OB06-073 土 ★★★★ 戦士 大地の勇者ロック ア/期間限定 OB06-074 土 ★★★★ 天使 光王エーリュシオン B OB06-075 土 ★ ドラゴン 聖なるタマゴ B/対 OB06-076 土 ★★ ドラゴン アーク C OB06-077 土 ★★★ ドラゴン アークドラン C OB06-078 土 ★★★★ ドラゴン 聖竜アークドラゴン ア OB06-079 風 ★★ 悪魔 ラコーラ 対 OB06-080 風 ★★★ 悪魔 魔公ラコーラ C OB06-081 土 ★★★★ 天使 天空騎士クレイ ア OB06-082 水 ★★★★ 機械 研究者カイス 合 OB06-083 土 ★★ アンデッド ラダ 対 OB06-084 土 ★★★ アンデッド ラダマンティス C OB06-085 土 ★★★★ アンデッド 死神ラダマンティス ア OB06-086 水 ★★★ 天使 アザゼル 対 OB06-087 風 ★★★ 天使 シェムハザ 合 OB06-088 土 ★★★★ 戦士 天地騎士クレイ ア OB06-089 火 ★★★★ アンデッド 赤き使徒カマエル ア/期間限定 OB06-090 土 ★★★★ 天使 聖帝エーリュシオン 合 表注 記号 カード化条件 対 通常対戦で入手 B BOSS戦やその御供で入手 合 モンスター同士の合体 C Lv10無条件クラスチェンジ ア モンスター+アイテム利用のクラスチェンジ 館 合体の館モードで出現 期間限定 期間限定のボス化によるバトルにて入手
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第十話「嵐」 12月12日 1940時 海鳴市 市街地結界内 凄まじい砲声、それが立て続けに3発。 音のする方向に目を向けるとビルの屋上にまばゆい光を放つAS――自分を助けてくれたほうではない――が立っていた。 何気ない無意識の行動、それが不味かった。一瞬でも注意が反れたことを見逃すほどヴィータは甘くは無かった。 「!」 アクセルシューターの編隊の僅かな乱れを利用して釘付け状態から脱出したヴィータ。 自分の得意な戦い方が出来ず、怒りに燃えるヴィータは逆襲を開始する。 「てめえ、よくもやってくれたな!」 赤いオーラが湧き上がり、カートリッジシステムを使ってないのにヴィータの魔力がグングン上昇する。 なのはは急いでアクセルシューターの制御を取り戻し、波状攻撃を再開しようとするが・・・ 3編隊ならばともかく2編隊では、あまりに隙が大きかった。 「オラァ!」 「ええ!?」 通常のハンマー形態に戻ったグラーフアイゼンをバットのように振り回し なのはが放ったアクセルシューターを悉く撃ち落す。 しかもそれだけに留まらず、なのはに向かってピッチャー返しを放つヴィータ。 なのはは、驚愕のあまり剛速球で返されたアクセルシューターを回避するのを遅れてしまった。 風を切り裂きピッチャー返しアクセルシューターは、なのはに命中する。 一矢を報いたことでヴィータは、ようやく落ち着いたのだった。 守護騎士のリーダー格であるシグナムを連行する為に、武装隊に引き渡しをするフェイト シグナムは全力でバインドを破壊しようとするが 自分と他の武装隊員の魔力を合せているバインドはそう簡単に破られはしない。 だが・・・・ 「なのは!?」 それまで有利に戦いを運んだなのはが思わぬ反撃を受けてフェイト達に思わぬ動揺が走る。 ドン! 砲声と共に一発の砲弾がフェイト達の元に向かって放たれる。 間一髪のところで回避に成功するが、バインドで吊るされていたシグナムは支えを失ったことで落下してしまう 「しまった!」 落下するシグナムを下からASが跳躍して受け止める。 M9が着地すると同時に、関節から衝撃緩衝剤の蒸気を噴きだす。 生身の人間なら着地の衝撃で絶命してしまうが、騎士甲冑で保護されているシグナムならば大丈夫だろう。 フェイトは邪魔をした傀儡兵―――エイミィによるとM9というASを睨む それに呼応するように、M9はフェイトに目(センサーなのだが)を向ける。 光の輪で縛られたシグナムを見てM9の操縦席でマオは溜息をつく。 こうも色々と動かれて、戦闘されては護衛も大変だ。 そして今日のように相手が本腰を入れてきて捕まってしまっては任務を果たすことが出来なくなる。 「まあ、それ自体わりかしどうでもいいんだけどね・・・・ フライデー、反応ある?」 マオはM9に搭載されているAI―――フライデーに尋ねる。 『ネガティブ、ECCSにも反応はありません』 AIの合成音声が辺りにヴェノムがいないことを告げる。 ECCS、それは究極のステルス装置であるECS(電磁迷彩)に対抗するためのセンサーである これを使えば、ECSの不可視モードを使っていてもその存在を探知できるのが 障害物の多い場所ではあまり効果を発揮しない場合が多かったりするのだ。 「とりあえず警戒は怠らないように、あとストロボはもういいわ。」 『ラジャー』 AIに命令し、注目を集める為につけていたストロボを消したマオは上空にいる金髪の子供を見上げる。 「・・・端から見なくても私達、悪役よね。」 そうなのだ。 いかに相手がAS並みの火力を誇り、超常的な現象を引き起こす魔法使いでも まだ、小学低学年そこらの年齢しかないのだ。 「でも、やらないわけにはいかないか。」 そう一人でぼやいていると、上空からフェイトの他8名が降りてくる。 M9の手の上で護衛対象が何か言っているが、とりあえず無視することにした。 光学センサーを働かせ、少女の姿を拡大させる。 ツインテールに結んだ髪に、水着のような服、手には戦斧を持ってこちらを見て何かを言っている。 指向性マイクを向けて何を言ってるか確認するマオ 『貴方がしていることは明確な捜査妨害です。今すぐ武装解除して手に抱えている人をこちらに引き渡してください。』 やはり管理局とやらは、シグナム達を拘束したいようだ。 それにしてもミスリルは、いつから異次元人と戦うコミックの登場人物になったのだろう? ともあれ目の前の少女は異次元人といっても自分たちと全く変わりない姿をしている。 魔法という得体の知れないものを使うがSFに出てくるグロテスクな蛸のような奇妙な姿をしているわけでもない。 『もう一度、言いま―――』 『言わなくて結構よ。お嬢ちゃん』 あえて外部スピーカーで返答するマオ。 フェイトは顔に驚きの表情を浮かべて、手に持っている武器を構える。 まさか、このASという兵器に乗っているのが女性だとは思っていなかったようだ。 『投降する気なんて無いわ。アタシ達は自分達の任務を果たすまでよ。』 『管理局の捜査妨害をすることが任務だというんですか!?』 目の前の機械の中から話している女性にはその行為がどれだけ危険なことなのか分かっているのか? フェイトは、大声で問いただした。 『それはあくまで結果よ、お嬢ちゃん。この連中を拘束されたら私達が困るの。』 『どっちも一緒です!投降しないならば、実力行使で捕縛します。』 その言葉を聞きマオは、ニヤリと笑みを浮かべた。 『ハッ! 上等!』 言葉と同時にマオはM9の左手をフェイトに向けた。 パンっと渇いた音がし、M9の腕に仕込まれた電気銃(テイザー)が電撃を放つ。 まともに喰らえば成人男性でさえ、一撃で昏倒させる代物だ。 だが、それを苦も無く防ぐフェイト 『私の魔力変換資質は雷です。その程度では私は落せません。』 そうして現れる4つの金色に輝く銛のような物体がこちらを向く。 フライデーが矢継ぎ早に警告を飛ばしてくる。 「警告、非常に高い熱量を発する物体がマイク1の周囲に出現」 マイク1―――フェイトに暫定的に設定された呼び名である。 フェイトの周り現れたプラズマランサーは力場に封入されたプラズマの槍だ。 当たれば、ASの装甲だろうが一瞬で蒸発しかねない。 「ECS作動、不可視モード!」 マオは、すぐさま電磁迷彩を作動させながらプラズマランサーの射線から退避する。 さっきまで、マオがいた位置を超高温の槍が通過していく。 先ほどのシグナムとの戦闘で使われたことでどういう攻撃なのかは分かっていた。 あちらがECSを探知できないならば、それを最大限使って相手を倒すのが一番である。 「でも、あんまり長時間は使えないわね。」 ECSは非常に電力を喰うのだ。 急激な機動と同時にECSを何度も使うとコンデンサーが一時的にスッカラカンになり十数秒間行動不能になることがある。 そうなっては本末転倒だ。 「正面からは防がれたけど、不意打ちなら・・・」 移動しながら散開している武装隊員を背後から電気銃で撃ち落していく。 そして指揮官らしき金髪ツインテールの少女に近づこうとしたときマオにとって信じがたいことが起きた。 フェイトが見えないはずのM9を見据え迷うことなくプラズマランサーを発射したのだ。 間一髪、避けることに成功するが金髪の少女の攻撃はそれだけに留まらなかった。 ◇ ◇ ◇ フェイトは姿を消したM9を警戒しながら辺りを見回していた 前回の戦いの映像で、こちらで言うオプティックハイドのような幻影魔法を使うということは分かっていた。 「バルディッシュ、相手の位置分かる?」 『No,sir. 赤外線で探査していますが反応なし。魔力も判別不能』 相手の透明化の詳しい性能は分からないが、どうやら魔力に頼るものじゃないらしい シグナムの魔力も微弱になっていた。 ライトニングバインドのほかに、魔力を抑える効力のあるバインドも同時掛けをしている。 魔導師や騎士を捕縛するときの常套手段だが、まさかこのようなことになるとは・・・・ 耳を澄ませば、かすかにASの移動する音が聞こえてくるが潜水艦のように音だけを頼りに正確な位置を把握することはできない。 「どこ?どこにいるの?」 冬の冷たい風がASの足音をも曖昧にしていく。 「うわああああ!」 少し離れた所で悲鳴が聞こえてきた。 悲鳴がしたほうに急行すると、武装隊員が地面に倒れ付している。 「しっかりして下さい!誰か、この人を!」 フェイトは念話で他の隊員にも注意を促すが、その最中にまた一人襲われた。 もし不意打ちで相手の大砲をもらえば、まず間違いなく自分達は死ぬだろう。 右や左から聞こえてくる駆動音。フェイトは、かすかな音に反応するが相手の姿が見えないので下手は打てない。 あたり一帯を焼き払う覚悟で広域魔法を使うことが出来れば、話は早いが・・・・ 所詮は無理な相談である。味方も巻き込むし、戦闘の隠蔽も大変になる。 「相手はシグナムを抱えながら戦闘を行っているのに・・・」 正直、ミッドチルダの有史前の戦い方をする遅れた人たちだと侮っていた。 それは大きな間違いだ。この人たちの戦い方は洗練されている。 この世界の人たちは強い。 フェイトの額に焦りの汗が浮かぶ。 (フェイト!後ろだよ!) 近くで、相手の狼型の守護騎士と戦闘していたはずのアルフが念話で知らせてくれた。 なぜ分かるかは知らないがアルフの言うことは信頼できる。 背後に向かって、プラズマランサーを放つ。 「プラズマランサー、ファイヤ!」 何もない空間に巨大な質量が動くことで発生する強風と、それが巻き起こす砂煙が発生する。 間違いない。アルフの言うとおりASが透明化して接近していたんだ。 新たなプラズマランサーを発現させると同時に、アルフに念話を送った。 (アルフ、どうして分かったの?) (なんかね。臭うんだよ、そいつ。・・・今度は左だよ!) (臭う?) フェイトは首をかしげながら、さらなるプラズマランサーを放つ。 自分達の世界と違い、こちらの傀儡兵は空を飛べないが、それを補う運動性能を持っている。 先ほどから、こちらの射撃が避けられているのは、そのせいだ。 (その・・・M9だっけ?そいつが透明になると同時に、ツーンってくる臭いがするようになるんだよ) (アルフはその臭いで、居場所が分かるんだね?) 念話から、そーだよという得意げな声が返ってくる。 (ならアルフ・・・) (分かってるよ、フェイト。リアルタイムで教えればいいんだね?) (でも、大丈夫なの?あの狼型の守護騎士の相手をしながら) 自分から頼んだもののアルフは今、戦闘中のはずだ。もし余裕がないならば自分ひとりで戦おう。 (大丈夫だよ。応援の武装隊の奴らが来たから、それくらいの余裕はあるよ。) (アルフ、ありがとう。・・・邪魔者には、ここで退場してもらおう。) (合点だよ!フェイト) 攻撃は苛烈を極めた。 ただ斧や杖を持っているだけなのに火力は十分、やり辛い敵だ。 先ほどまでこちらの位置を満足に把握すら出来ていなかったのに、だんだん相手の狙いも正確になってきている。 「フライデー!相手はECCSでも使ってんの!?」 『ネガティブ。検知器に反応なし』 「じゃあ、何でこっちの居場所が分かるのよ!?」 回答不能というお決まりの答えが返ってくる。 どこか別の場所から仲間が指示を出している?ありえる話だ。観測班のような連中が活動を開始したとしか思えない。 しかし、どこだ?ECCSのような強力なセンサーを使っているのに何故、位置が割れない? 「こなくそ!」 牽制の為にワイヤーガンを撃つマオ テイザーが効かないのならば、もっと原始的な物理攻撃しかない。 しかし、頭部に備え付けられている12.7ミリ機関銃では威力はありすぎる。 ワイヤーガンも普通の人間ではただではすまないが こいつらはビルの壁に衝突して大穴あけても無事だったのだから多分、大丈夫だろう。 『Load Cartridge.Haken Form!』 少女の戦斧が変形し、金色に輝く鉤が現れる。 フェイトは飛んでくる銛を避け、アンカーに繋がっているワイヤーを叩き斬る。 ワイヤーが切れたことでアンカーはM9に戻ってくることは二度となかった。 「い゛っ!?」 そのまま突っ込んでくるフェイトから距離を取る為にM9を後ろに跳躍させる。 「どういう切断力してんのよ!?あれは瞬間的に100t以上の荷重に耐えられるのに!」 カーボン等の素材を使った強靭なワイヤーを、いとも簡単に切り裂く切断力。 さらに他の魔導師も戦列に加わり攻撃をしかけてくる。 もはや手加減をすれば負けるのは、こちらのようだ。 が、護衛対象であるシグナムを抱えた状態で40ミリライフルを使えば、どうなってしまうか・・・。 「八方塞とはこのことね・・・ECSがなかったら、やばやばだわ」 しかし、悪いときには悪いことが重なるものだ。 飛来してくる光弾が図らずも、道路脇にある消火栓を吹き飛ばした。 「げっ!」 水気のない市街地の道路に突如、水柱ができ大量の水がM9に降りかかる。 M9の装甲表面に青白い燐光が発生する。 究極のステルス装置であるECSの数少ない弱点、それは水である。 ECS作動中に水が付着するとその部分にスパークが発生し、あたかも広告塔のように目立ってしまうのだ。 「ECSカット!頭部チェーンガン威力行使!」 水が乾くまでECSは使えない。 周囲に集まってくる敵の包囲網を突破する為、今まで封印してきたチェーンガンを使う。 「これは・・・・本格的にまずいわ。」 12月12日 2003時 海鳴市 市街地を一望できる場所 『それで、今回はお前は出て行かないのか?』 「ミスリルが思いのほか頑張っていますからね。とりあえずは静観しておきますよ。」 ヴェノムは15キロほど離れた場所から、戦闘している魔導師達と一機の第三世代ASを監視している。 手に縛られ無力化された守護騎士を抱えている為、主兵装である40ミリライフルを封じられているようだ。 だが頭部に装備されているチェーンガンでも十分役に立つ。 ただし、それで高位の魔導師のシールドやプロテクションを破れるとは限らないが・・・ 『ふん、ラムダドライバなしでどこまでもつか怪しいものだがな。』 「それは心配ないでしょう。ラムダドライバがなくても お互いに一撃必殺の手段を持っているなら、チャンスはありますよ。」 『ずいぶんと敵を評価するものだな。』 不機嫌そうな声が通信機から聞こえてくる。 ファウラーは、それをクスリと笑う。 「いえ、ラムダドライバとて万能ではありません。それに今まで西太平洋戦隊との戦闘では負け続きですからね。」 『確かにそうだが・・・まあ、いい。ミスタAgの協力で例の装置は遅くとも三日後に完成する。 あとは『闇の書』の完成を待つだけだ。ここで誰かに持っていかれるわけにはいかんぞ。』 「承知しています。それで、どうやって奪うおつもりで?」 『そのことなら心配せんでいい。Plan-1211を使う。その後は、お前達の仕事だ。』 あの殺人人形を使うつもりなのか。それにしても・・・・ 「それにしても、よく手に入りましたね?何機用意できたので?」 『8機だ。ミスタAuから少し高かったが、取り寄せた。』 ミスタAu―――アマルガムの幹部の中でも力のある存在だ。 「魔法のことを話したのですか?」 『いや、怪しいほどすんなり譲ってくれた。これからは身辺に気をつけなければな。』 ミスタCuは組織内の共食いを警戒してるようだ。 しかし、この時期に内部抗争をするほどミスタAuは愚かだろうか? 「ミスリルに対する総攻撃を数ヶ月後に控えたこの時期にありえる話でしょうか? あるとしても総攻撃後でしょう。そしてその頃には、誰も貴方を止めるものはいなくなります。」 雇い主を安心させるように囁くファウラー 情報処理能力も光るものがあるファウラーの話に、ミスタCuも僅かだが安心したようだ。 『そうか。では、もう話すことはない。お前は監視を続けろ、必要なら妨害もだ。』 「了解しました。」 そう言ってブツっと通信は切れた。 ファウラーは再び、ヴェノムのセンサーを向ける。 水のせいでECSが使えないことが、ネックになっているようだ。 しかも、たとえ結界が破壊されたあとでもECSが使えなくては意味がない 「敵とはいえ、健闘を讃えサービスだ。受け取りたまえ。」 ファウラーは、一緒に持ってきた装備品を組み立て始めた。 12月12日 2005時 海鳴市 市街地結界内 「これは・・・?」 今まで姿を現さず、アルフの嗅覚のみで追い詰めていたM9が水をかぶった途端に透明化を解いた。 相手は特に目立った損傷を受けていないにも関わらずだ。変わった所といえば水をかぶった事だけだ。 その光景を見たフェイトはある秘策を思いついた。 一時的に水をかぶったとはいえ、高速で走るASならば装甲を濡らしている水もすぐに乾いてしまうだろう。 ならば常時、水が降る様にすれば良い。そのための魔法も自分はよく知っている。 その場合こちらにも影響が出るが相手にはそれ以上のデメリットを被るはずだ。 (アルフに武装隊の皆さん。2分間、あのASを抑えておいて下さい。 それだけ待ってもらえば、透明化する機能を封じることができます。) フェイトは念話で一緒にM9と戦闘していた隊員と臭いで相手の位置の情報を流し続けたアルフに これからどういう魔法を使うかを伝える。 武装隊員からの承諾をもらいフェイトは一時的に戦闘から離脱し、上空に舞い上がった。 「結界内で使うのは初めてだけど雷を落すわけじゃないから、いけるはず! バルディッシュ、始めるよ。」 『Yes,sir』 選択する魔法はサンダーフォール。 気象を操作し、雷を落す魔法だ。しかし今回は違う。 目的は雨だ。消火栓の水が一時的に相手の透明化を封じるのならば、雨を降らせ辺り一体を水浸しにする。 その場合こちらも濡れて、相手の電気銃の威力を高める可能性もあるが しっかりとシールドを張れば問題はないはずである。 「アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ。今導きのもと降りきたれ―――」 詠唱に入るフェイト カートリッジシステムを搭載したため大量の魔力を一度に集めることができるようになり 発動までの時間は半年前に使ったときより大幅に短縮することができた。 その上、雷雲ではなく、ただ雨を降らせるだけなので術者への負担も割と少ない。 「バルエル・ザルエル・ブラウゼル。撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス。」 『Thunder Fall』 大気中の水蒸気が集まり、市街地上空に雨雲が形成されていく ザアァァァァァァァァァァァァ サンダーフォールの設定を少し変え、雨だけを降らすことに成功。 もう相手は透明になることはできないはずだ。 これで私達が有利に事を運ぶことができる。 ◇ ◇ ◇ 「なによこれ!?」 先ほどまで空は晴れていた。雨が降る気配など、どこにもなかった。 だというのに・・・・ 「お天気お兄さんが嘘ついたわけ!?」 これではECSの復旧もできない。 たとえこの結界から離脱できたとしても、ECSが使えなければ目撃者を大量に出す羽目になってしまう。 マオは自分の背中に嫌な汗が流れるのを感じた。 「これは年貢の納め時かしら・・・」 迫り来る光弾をジグザグに避け市街地を西へと逃げる。 頭部機関銃の弾丸もまだ余裕があるとはいえ直撃は不味い、殺してしまう。 「でも、背に腹はかえられないわね・・・」 そういって、手短な奴に照準を合わせ引き金を引こうとした瞬間に通信が入った。 『まだ・・あき・・・ら・・な。』 通信機からノイズと共に流れる護衛対象の声。しかもこの声は、自分が左手に抱えているシグナムの物ではないか 『・・・5分後に離脱するチャンスが来る。それまで粘れ。』 「ちょ、ちょっと、なんでアンタが私達の通信チャンネルを知ってるのよ!?」 センサーを左手に向けると、こちらを見上げる鋭い瞳があった。 『私の思念波をレヴァンティンが電波に変換して話している。 5分後、結界が破壊されると同時にザフィーラと一緒に離脱する。』 「答えになってないわよ!ああもう、それは置いとくとしても ECSも使えないのにどうやって市街地から離脱するのよ?」 当然の疑問だ。 いや、たとえECSが使えたとしても管理局からの追跡を振り払うことができるだろうか? この戦闘で奴らはECSで透明化したM9を探知する方法を発見したようだ。 さらに相手は得体の知れない異次元人の組織だ。まだ奥の手があるかもしれない。 『必ず離脱できる。だからザフィーラと合流するまで粘れ。』 発光する光の輪で縛られ、身動きすら取れない無力な姿を晒しているにもかかわらず ピンクの髪をした剣士の瞳には全く諦めの色は浮かんでいなかった。 「OK・・・アンタの言葉に賭けるわ。チップは私達の命って所かしら?」 『そうなるかもしれんな。』 「望む所よ。少し派手な機動になるけど我慢しなさいよ!」 今まで手に抱えたシグナムになるべく負担をかけないよう、それなりに慎重な機動をしていたが どうやら、この騎士には無用だったようだ。 跳躍と同時に、頭部機関銃を乱射する。 追跡している魔導師たちが蜘蛛の子を散らすようにビルの陰に隠れた。 しかし、金髪の魔導師は弾幕の中をスピードを生かし自分に肉薄してくる。 「おとなしく・・・止まりなさい!」 フェイトは弾丸の雨を避け、手に持った鎌の刃を飛ばして来る。 そう何度もピョンピョン跳ねていれば、滞空時間の長さ、空中で身動きが取れないことはばれているだろう。 だが、フェイトは忘れている。 「こっちにはこれがあるのよ!」 空中でシグナムを右手に持ち直し、左手のワイヤーガンをすぐ脇のビルに発射し飛来してくる光の刃を避ける。 攻守が入れ替わった。頭部チェーンガンの弾丸が咆哮を上げ、フェイトに襲いかかる。 シールドを張り、弾丸を弾くフェイト。その隙に他の隊員が援護射撃を飛ばす。 「わわわっ!」 マオはビルの屋上からフェイト達がいる方向とは反対側に降り、市街地の中心に向かって逃走する。 高速で移動する為、雨がM9の装甲に激しく打ち付けられている。 接近警報! 正面に魔導師が2人、放たれる光弾を避けながら肉薄し交差する瞬間に電気銃で黙らせた。 「これで敵はあと3人、時間は・・・残り173秒!」 敵の動きが急に良くなった。 自走速度が急激に上がり、跳躍距離も格段に伸びた。 「バルディッシュ!相手の速度は?」 『Sir、150㎞/hを超えてます。』 速い。 自分も速度でいえば負けはしないが、地上でこのスピードを出せる人型の機械が 存在するという事実にフェイトは舌を巻いた。しかも敵は障害物の使い方も熟知している。 (誰か、敵の進路に回りこめる人はいませんか?) (俺が回り込む。しかし、足止めできるかできないかが精一杯だ。) (構いません、ASの相手は私がします。それなりの被害が出たとは言え 追い詰めているのはこちらです。増援が来れば私達の勝ちです。) 念話を終え、次の角に武装隊員が待ち伏せをすることが決まった。 見事に相手の足を止めるが、電気銃と頭部の機関銃のせいで近づけない。 (アルフ、今どこ?) 敵の透明化を封じたことで、ザフィーラとの戦闘に集中しているアルフに念話をつなげる。 (いま?ええっと、広場のほうに向かってる。) 広場・・・そこは市街地の中央にある憩いの場 ジュエルシードの災害で破壊され大幅拡張され結構な広さを持っている。 (私達もそっちに向かってる。そっちには今何人いるの?) (アタシを含めて、3人だね) こちらと同じ人数、ギリギリの人数だ。 最悪の場合、ASを撃破も考えなくては・・・ しかし6人いれば包囲して、バインドで拘束することもできるかもしれない。 (アルフ、今そっちにASが向かってる。到着したと同時にチェーンバインドいける?) (使い魔がノーって言うわけないじゃないか、フェイト) 快諾するアルフ ここに来てアルフの頼もしい態度がフェイトに安心感を与えた。 あとは、なのはだ。 (なのは!今、どの辺りにいるの?) (フェイトちゃん、ゴメン!今、手が離せないの) 最初のアクセルシューターの波状攻撃に苦戦していたヴィータだが こういう相手には撃たせる前に叩いてしまえという経験から、ほぼ互角の戦いを繰り広げている。 相手は永遠に等しい時間を戦い続けた騎士だ。その経験はどんなに多く見積もっても多すぎるということはない。 (分かった。気をつけて。) アルフ達がいる広場まで、このまま行けばあと100メートルの所まで迫ってきた。 ◇ ◇ ◇ 入り口にある木々を飛び越えたと同時にオレンジ色の鎖がマオを襲う。 腕に絡みつく鎖、マオは兵装ラックから単分子カッターを取り出し切り裂く。 「待ち伏せ!?」 『そのようだ。だがザフィーラがいなければ脱出は不可能だ。ヴィータは手が離せないようだしな。』 「そのザフィーラってのはどこにいるのよ?」 近くにいる魔導師たちに片っ端から電気銃を放つがあまり効果がない。 相手も馬鹿ではない、対抗策はきっちりとっているようだ。 『もう来ているはずだ。だが、あと80秒余っているからな・・・ 時間が来るまで不用意に姿をあらわさんだろう。』 「早すぎたっての?ECSを使わないでこの包囲を無傷で突破するなんて無理よ? できても血の雨が降ることになるわよ。」 周りには6人の魔導師、二人ほど毛色が違うがマオの周囲を浮遊してデバイスをこちらに向けている。 「これでチェックメイトです。30秒以内に機体から降りてきなさい!」 代表としてあのお嬢ちゃんが投降を促す。 『あと68秒・・・なんとか持たせろ』 手の中のシグナムがえらく無茶なこというが、少しでも動けば蜂の巣にされかねない。 それほど周りの連中は殺気立っている。 残り45秒を切ったが、限界だ。 『ミサイル警報!数1、高速で接近中!』 「!? ECM(電子対抗手段)作動!」 フライデーが突如、15㎞先からのミサイルが発射されたという警報を鳴らす。 矢継ぎ早に指示を飛ばすがミサイルは欺瞞されない。 「くっ!」 手のシグナムを庇うようにミサイルに背を向ける。 着弾する瞬間、世界から全ての音が失われ、やがて閃光と爆音が辺りを覆う。 衝撃波と熱がその場にいた全員に襲い掛かり、広場の木々、ビルのガラスを粉々にした。 機体が大きく揺れマオはコックピットでしたたか頭を打ち付けてしまった。 衝撃が収まり、いち早く立ち直ったマオは腕のシグナムに声をかける。 「生きてる?」 『ああ、なんとかな。ちょうど時間だ。』 シグナムがそういった途端、M9の足元に白い剣十字の魔法陣が浮かび上がる。 M9のセンサー、計器が異常数値を弾き出し警報を鳴らすが それらを無視するように守護騎士と機械の兵隊の姿は海鳴市から消えていた。 前へ 目次へ 次へ
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ゴースト HP ちから かしこさ みのまもり すばやさ 生息地 回避率 507 46 108 58 91 草原/森 ★★ 属性耐性 つよい - よわい 光 状態異常耐性 つよい 物理的行動不能/呪い/かわいいおどり/まごまご混乱/ラリホー/スウィートブレス/守備力ダウンダウンオール/毒・猛毒/みわくの眼差し/メダパニーマ よわい マヒ/呪文守備力ダウン/ぱふぱふ 技名 属性 対象 威力 補足 メラ 炎呪文 敵単体 ★★★★ 呪文 ベロベロビンタ 打撃/混乱 敵単体 ★★★ 特技·会心★戦士専用技 ミニゴースト 爆発 敵全体 ★★★ 特技 特徴 弱点が少なく、回避率がそれなりに高い。 かしこさが高いので、「メラ」で安定したダメージが見込める。 使いやすいモンスターではあるが、「ミニゴースト」、「ベロベロビンタ」ともに 命中率は高くないので要注意。 魔法使いと組めば、その真価を発揮してくれる。 レジェンドモードⅡの7章、8章では活躍が期待できるだろう。
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ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて なーすうぃっち こむぎちゃん まじかるて キャラクターデザイン:渡辺あきお 総作画監督:伊東克修 音楽:高木隆次 アニメーション制作 タツノコプロ・京都アニメーション(京都アニメーションの参加はKARTE.1、2のみ) オープニング テーマ曲:「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて -愛のメディスン-」作詞:桃井はるこ、UPLIFT 作曲:桃井はるこ 編曲:小池雅也 歌:中原小麦(桃井はるこ) エンディング テーマ曲:「オトメの魔法でポンデ・ケ・ワ」作詞:UPLIFT 作曲:岡素世 編曲:小池雅也 歌:中原小麦(桃井はるこ) ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて小麦ベ~ストTHE MUSIC ~小全集 ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて 小麦100%しよう! ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて 小麦ちゃん Live in 日本中年館 2002年 作品名:な
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名前 HP MP 攻撃力 守備力 すばやさ かしこさ 経験値 ゴールド 通常 レア 習得技 スライム70111111やくそうアモールの水Lv3ホイミLv18スラ・ストライクLv27ベホマラー スライムベス1007411347どくけし草きつけ草Lv3メラLv18ピオラLv27ベホマラー ももんじゃ11064121658まじゅうの皮うさぎのしっぽLv4気合パンチLv19気合蹴りLv28まわし蹴り モーモン812391218138やくそううさぎのしっぽLv--激怒Lv1ルカニLv18ボミオ ドラキー11085137113やくそうコウモリの羽Lv--ようすをみる Lv3ピオリムLv18えだ払い ゴースト76573161210やくそう皮のぼうしLv1だましうちLv9ルカニLv18ルカナン リップス1204611112どくけし草あかいカビLv1なめまわしLv9ホイミLv18スカラ メラゴースト122231618138ばくはつ草燃える魂Lv1メラLv9火の息Lv18メラミ おおさそり1461516421917鉄のかけらどくばりLv1スカラLv1どく攻撃Lv16マヒ攻撃 おおきづち2101891312115まじゅうの皮おおきづちLv--痛恨の一撃Lv--テンションアップLv16スライム叩き バブルスライム1408897118どくけし草毒草Lv1どく攻撃Lv9どくの息Lv18キアリク しましまキャット1608101251010やくそうまじゅうの皮Lv--顔を洗うLv6ヒャドLv17 じんめんガエル おばけキノコ キャタピラー いたずらもぐら どろにんぎょう ホイミスライム がいこつ ごろつき ぐんたいガニ くさった死体 ホイミゴースト ドラゴスライム かぶとこぞう タホドラキー キメラ スライムナイト スライムタワー ブチュチュンパ ダックスビル コロヒーロー コロファイター コロプリースト コロマージ スライムブレス じんめんじゅ プリズニャン シャイニング ブラウニー 首狩りぞく パペットマン ゆうれい ミイラ男 サーベルきつね いばらドラゴン ヘルゴースト マタンゴ ベホイミスライム ひとくいばこ さまようよろい さまようたましい マミー どくどくゾンビ ぼうれい剣士 コングヘッド シルバーデビル Lv1メダパニ アンクルホーン Lv1イオ ハベルボブル Lv1メラミLv1イオラ Lv1インテ バル Lv1ベホイミ ベル Lv1スカラ ボル Lv1バイシオン ブルLv1はやぶさ斬り メタルスライムLv1メラ かくとうパンサー キラーパンサー ランドゲーロ 鉄のさそり アーマービートル かえんムカデ ベロニャーゴ あやつり人形 エリミネーター スカイフロッグ なぞの神官 メタルトラッパーLv--網からみつけ メタルハンター メタルブラザーズ Lv1メラ Lv1ギラ ブラッドゾンビ キラースコップ メイジドラキー メイジももんじゃ 死のさそり スカルゴン ヘルコンドル ヘルバトラー デスゴースト じごくのよろい バーサーカー 毒いもむし グール ピンクモーモン あやしいカゲ フラワーゾンビ メイジブラウニー メタルライダー マジックリップス サンドワーム キラーアーマー ベホマスライム キングスライム おにこんぼう マッスルウータン さそりかまきり なげきのぼうれい メイジキメラ ホスピター Lv1ベホイミ Lv1スカラ 死霊の騎士 デスコーピオン アイアンダッシュ マージマタンゴ キングパンサー ドラキーマLv1ベホマラー Lv1ザオラル Lv1ラリホーマ ゲロンガー Lv1こおりの息 Lv1ザキ ミミック 真打スライム デスストーカー モビルフォース モビルヘッド モビルボディ モビルレフト モビルライト クローハンズ デスカイザー ブレイブナイト Lv1バイキルト ボーンスラッシャー シャドー Lv--ぶんれつ カオスゴン Lv1はげしいほのお ヘラクレイザー Lv--テンションアップ Lv1スカラ ファイヤーケロッグ Lv1はげしいほのお ウドラー Lv--せかいじゅの葉 Lv1ヒャダルコ ガルーダ レッドオーガ アルゴングレート ソードファントム プチヒーロー プチファイター プチプリースト プチマージ プチ狩りぞく トロル ボトク Lv1ベホマラー Lv1ザオラル デビルロード ダッシュラン Lv1こおりの息 首長竜 Lv--からみつき Lv1こごえるふぶき バトルレックス Lv1はやぶさ斬り Lv1はげしいほのお ドラグナー Lv1転がり攻撃 Lv1かえんの息 ギオドラゴン Lv1はげしいほのお Lv1こごえるふぶき ドラゴン Lv--痛恨の一撃 Lv1はげしいほのお スターキメラ Lv1こごえるふぶき ゴーレム Lv--痛恨の一撃 Lv--テンションアップ 霊錬ゴースト Lv1メラミ しにがみ じごくのハサミ アークデーモン Lv1メラミ Lv1イオラ キラーマンティス Lv1こんらん攻撃 ナイトフォックス Lv1バギマ ギガントヒルズ メタルドラゴン グランスライム Lv1イオラ Lv1リホイミ 猫眠ニャーゴ Lv1ラリホーマ Lv1ねむり攻撃 ダークライダー Lv--呪い攻撃 Lv1ルカナン ドラゴンブッシュ Lv1ベギラマ Lv1はげしいほのお デラノライナー バロンジャッカル ウイングタイガー カンダタ子分 烈怒ブラウニー トロルボンバー グレイトドラゴン スライムエンペラー グランナイト くもの大王 土遁モグラ Lv--一気にハイテンション ゴールドマン はぐれメタル Lv1イオラ Lv1ベギラマ スライムベホマズン デスプリースト トラップボックス レッドスコーピオン 先撃フォックス ダークスライム 影の騎士 闇の司祭 Lv1バギマ Lv1バギクロス まかいじゅ Lv--魔界樹の葉 Lv1死の踊り シャドウパンサー サンダーク あんこくちょう ダークジャミラス ヘドロイド ダークデーモン スケアフレイル クロコダイモス ブリザード スノーエイプ アイスチャイム アイスビックル 樹氷の竜 ブルーソウル ドラゴンソルジャー オーシャンクロー メダパニシックル 闇騎士ナイト バズズ ベリアル ストーンマン ヘルクラウダー ヘルクラッシャー キラーマシン デーモントード にじくじゃく リザードファッツ グレイトドラゴン Lv1はげしいほのおLv1こごえるふぶき ボストロール Lv--痛恨の一撃 Lv--武器をなめまわす サイクロプス Lv--痛恨の一撃 ブラックドラゴン Lv1しゃくねつ Lv1かぶと割り ギガントドラゴン Lv--痛恨の一撃 Lv1しゃくねつ キースドラグナー ワイトキング Lv1バギクロス Lv2バギムーチョ ホロゴースト キングミミック Lv1ベギラゴン Lv1フバーハ キースドラゴン Lv1しゃくねつ メタルカイザーLv1メラゾーマ Lv1イオナズン ダークタイガー Lv1マヌーサ Lv1しっぷう攻撃 ヘルプラネット Lv1ザラキーマ 鳳凰 鳳凰の翼Lv1れんごく火炎 魔王の使い ヘルジュラシック Lv--ツノでぶっ飛ばす Lv1かがやく息 ブラックルーン ピサロナイト ホーリーナイト エビルユニコルック Lv--テンションアップ Lv1ジゴデイン エビルプリースト Lv1バギムーチョ Lv1ベホマズン Lv1ザオリク ゴールデンスライム Lv1イオグランデ Lv1ベホマズン メタルキング Lv1メラガイアー Lv1イオグランデ トロルキング Lv--痛恨の一撃 Lv--武器をなめる Lv1スライムたたき エビルゾーマ Lv1マヒャデドス Lv1バギムーチョ ダークナイト Lv--痛恨の一撃 Lv--呪い攻撃Lv1いなずま斬り グレートジンガー 4847Lv--一気にハイテンション Lv--中で言い争いをする Lv1ギガデイン オーラー 1820Lv1ベホマ Lv1ベホマラー Lv1マジックバリア ドーラー 3140Lv1ザオリク Lv1メガザル ソーラー 1580Lv--激しく斬りつける Lv1バイキルト フーラー 1580Lv--激しく斬りつける Lv1ピオリム デュラハーン Lv1バイキルト ビッグファング Lv1フバーハ Lv1かがやく息 金色の騎士 Lv--痛恨の一撃 Lv--閃光の一撃 Lv1ベホマ れんごくまちょう 2311 ∞Lv--上空から襲いかかる Lv1れんごく火炎 ドラゴン・ウー 3200 ∞Lv--痛恨の一撃 Lv--テンションアップ Lv1れんごく火炎 ギガンテス 92000Lv--痛恨の一撃 Lv--テンションアップ ラストキラーマシン 5000 ∞Lv1バイキルト Lv1グランドキラー まおうのかげ 2892 ∞Lv--ようすをみる Lv1ザラキーマLv1せいなる吹雪 エビルラプソーン 3258 ∞Lv1メラガイアー Lv1マヒャデドス ナイトキング 26890Lv--痛恨の一撃 Lv1かぶと割り パンドラボックス 3350 ∞Lv--痛恨の一撃Lv1メラガイアーLv1ザラキーマ ダースドラゴン 69200Lv--痛恨の一撃 Lv--激しくかみつける Lv1れんごく火炎 メカバーン 5030 ∞Lv--痛恨の一撃 Lv1ビックバン Lv1レーザー アトラス 153800Lv--痛恨の一撃 Lv--一気にスーパーハイテンション エビルエスターク 7565 ∞Lv--痛恨の一撃 Lv--一気にスーパーハイテンション Lv1バイキルト プラチナキング 200 ∞65000Lv1マダンテ Lv1ザオリーマ Lv1バイキルト プチアーノン 5138Lv--お絵かき わかめおうじ 11256Lv--お絵かきLv--いか墨 だいおうキッズ10798Lv--わかめ音頭 Lv1ベホイミ Lvさそう踊り ポグフィッシュ13888717てっさどくばりLv1ルカニ マリンフェアリー 海の守りガメ163164Lv1ベホイミ Lv1ザオラル 大王イカ 238213ゲソッキー(ムチイカさしLv--いか墨 Lv1マヒャド ギャオース くさりがま海竜珠Lv1はげしいほのお Lv1こごえるふぶきLv1おたけび クラーゴン 593604イカさし極上イカさしLv--いか墨 Lv1マヒ攻撃 シャークマジュ30156レインボーハット世界樹のしずくLv1フバーハLv1こごえるふぶきLv1あまい息 ヘルダイバー6310ほのおのツメ紅竜珠Lv1はげしいほのおLv1しゃくねつLv1おたけび ベビィグラコス15121041138ちからのたね大トロLv1ベホマラーLv1こおりの息 グラコス374360897101金のオノムーングラコスLv1マヒャド Lv1マヒャド斬り オセアーノン 101601036353ゲソッキー(ムチ極上イカさしLv1はげしいほのおLv1なぎ払い ウドック1200108104世界樹の葉Lv--ツメで連続攻撃 Lv--やくそう Lv--毒草 ゴルゴロン165013292ビリング鉱石Lv--ようすを見るLv--ぶきみに微笑む 怒りの魔人 2400アイアンハンマーLv--痛恨の一撃 Lv--テンションアップ オオバサミ3080シザースボウLv--大きなハサミを振り下ろすLv--なぎ払い 海竜29折れた伝説の剣先Lv--こおりの息Lv--フバーハ 闇のドラゴン 闇竜の翼Lv--かがやく息 Lv--やけつく息 キャプテン・クロウ サーベル・クロウLv--テンションアップ Lv--コーラルレインLv--はやぶさ斬り 海王神宝の地図Lv--くしゃみをするLv--メイルストロム レティス 神鳥の羽毛Lv--テンションアップ Lv--ライデインLv--ジゴデイン ユニコルック ユニコーンの涙Lv--テンションアップ Lv--ライデイン Lv--ジゴデイン やまたのおろち 大蛇の尻尾Lv--息の合った連続攻撃 Lv--れんごく火炎 あまつのみやび天の村雲Lv--テンションアップ Lv--撃合斬り Lv--ハートブレイク エンデスヴァルド エンデスブレイドLv--呪われし一撃(HP4/1Lv--呪い攻撃 セイバーナイトひかりのつるぎLv--デインラッシュ(マヌーサLv--さみだれ斬り ハーゴン らいじんの杖邪悪なピアスLv--メラゾーマ Lv--メラガイアー バラモス 闇のきころも邪賢者のぼうしLv--バギムーチョ Lv--ザラキ Lv--ベホマ カンダタ カンダダのマント大盗賊のオノLv--痛恨の一撃 Lv--ベホマ Lv--ドラゴン斬り ムドー 悪しきロザリオ死多無阿の欠片Lv--イオナズン Lv--イオグランデ Lv--マジックバリア 炎のせいれい 炎のアミュレットフェーゴの兜Lv--メラガイアー Lv--れんごく火炎 Lv--バイキルト 大地のせいれい 大地のアミュレットガイアの鎧Lv--イオグランデ Lv--岩石おとし Lv--スクルト 水のせいれい 水のアミュレットオチェアーノの剣Lv--痛恨の一撃 Lv--つなみ Lv--ベホマズン 風のせいれい 風のアミュレットフューズの盾Lv--バギムーチョ Lv--かまいたち Lv--ピオリム 竜王 竜王の豪翼ロトの剣Lv--れんごく火炎 Lv--切り裂くツメ Lv--仲間を呼ぶ(ダースドラゴン2匹) シドー シドーの邪鱗ルビスの剣Lv--マヒャデドス Lv--リホマラー Lv--仲間を呼ぶ(ベリアル、アトラス) ゾーマ ゾーマの闇衣王家の剣Lv--メラガイアー Lv--イオグランデ Lv--リホマラー デスピサロ デスピサロの剛爪魔王の大爪Lv--痛恨の一撃 Lv--一気にスーパーハイテンション Lv--アストロム エスターク エスタークの折剣エスタークの剣Lv--一気にスーパーハイテンション Lv--つるぎの舞い Lv--ビックバン ミルドラース ミルドラースの死尾魔王ドラゴンテイルLv--れんごく火炎Lv--双天打ち デスタムーア デスタムーアの片角天空の剣Lv--メラガイアー Lv--マヒャデドス Lv--リホイミ オルゴ・デミーラ オルゴ・デミーラの王鱗水竜王の剣Lv--メラガイアー Lv--イオグランデ Lv--ジゴスパーク ラプソーン ラプソーンの大脂暗黒神の杖Lv--マヒャデドス Lv--ラリホーマ Lv--双球コンボ エルギオス エルギオスの竜鱗ガナンの鉄球Lv--マヒャデドス Lv--せいなる吹雪 Lv--バイキルト 神竜 神竜の鱗神竜の腕輪Lv--かがやく息 Lv--いてつくはどう Lv--かまいたち 神様 ゴッドブック神様の杖Lv--ジゴデイン Lv--イオグランデ Lv--マダンテ 竜神王 竜神王の聖衣ドラゴンの杖Lv--ラリホーマ Lv--メダパニーマ Lv--ジゴスパーク 深紅の巨竜 ドラゴンスレイヤーオーディーンボウLv--一気にスーパーハイテンション 深緑の巨竜 深緑の輝石グリンガムのムチLv--一気にスーパーハイテンション 白銀の巨竜 プラチナハート長曾壱船の碇Lv--一気にスーパーハイテンション 黄金の巨竜 金塊黄金秀一サーベルLv--一気にスーパーハイテンション 黒鉄の巨竜 ヒートオニキスメガトンハンマーLv--一気にスーパーハイテンション 聖なる巨竜 フォレヴァランスラストブレアックスLv--一気にスーパーハイテンション 永遠の巨竜王空ブーメラン竜神王の剣Lv--一気にスーパーハイテンション マスタードラゴン マスタードラゴンの魂エスガイアの剣Lv--一気にスーパーハイテンションLv--ビックバン
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雪の降る寒い夜が明け朝日が昇る。 エリオは天幕内、自分専用に割り当てられたスペースの簡易ベットで目を覚ました。 他の隊員達は天幕内に並ぶ簡易ベットで毛布に包まり仮眠中。 天幕の中心に置かれたストーブは火勢を最大にして過酷な重労働に従事している。 休憩中の他の隊員を起さない様、静かに起き上がり、そのまま着替えることなく―シャワーは浴びれなかったので 防寒具を着たまま横になっていた―天幕外に出る。 雪は止んでおり、積もった雪を踏みしめ不寝番の隊員達とすれ違いに軽く挨拶をし、小さな宿営地を歩く。 早起きは機動六課在隊時に身についた習慣。その後の自然保護隊に転属した後も続く習慣。 「ルー?どうしたの?」 そんなエリオの視界に入ってきたのはただ一人膝まで積もった雪の中に佇むルーテシアだった。 雪は止んでいる。だが音の気温は寒いと感じるぐらい冷え込んでおり、防寒具を着込んでいるとはいえ流石に応える。 「・・・ガリューが、・・・ここに別の何かがいたって」 「それって・・・、フェイトさんには伝えた?」 「まだ」 ルーテシアが首を小さく振りながら答える。 「今は?」 「雪のせいで・・・、痕跡が見つからないって・・・」 「そうなんだ・・・、じゃあ後でフェイトさんに話そうよ」 会話する二人を照らすように朝日が昇る。 今日の任務は簡単、過去の遺跡を調査し、ある人物の痕跡を探す。 誰かが言う「簡単な任務さ」。 フェイトは自身に割り当てられた輸送艦内の部屋での安眠から目を覚まし、バルディッシュを起動、BJを羽織る。 部屋から出れば長い艦内廊下。それを歩き、格納庫へ。そして格納庫か下ろされたランプから地上に降りる。 「おはようございます」 「おはよう、ティアナ。みんなは?」 「小隊長二名と分隊長六名は天幕の中に」 「調整ありがとう、ティアナ。でもこれからはもっと難しい部隊間の調整をする事になるよ」 「うわぁ・・・、脅さないで下さいよ」 指揮官と部下の会話、序列上はフェイトが最先任、ティアナは次席となる。 「フェイトさん」 「エリオにキャロ、それにルーテシア?どうしたの?」 「それがルーが此処に何かがいたって・・・」 エリオの話にフェイトとティアナは顔を見合わせる。 だがルーテシアから話を聞いたフェイトの切り替えは早い。 『トーレにセッテ、周囲はどう?』 小さな宿営地には寄り付かず、恐らくは外周のどこかにいるであろう二人に念話を飛ばす。 トーレは廃墟のビルの屋上で腕を組んで待機中、セッテはトーレから少し離れた廃墟に潜み不寝番中。 『セッテ、周囲はどうだ?』 『周辺異常なし』 セッテはイクシードオービット(EO)を四基展開し周囲を警戒監視を行っていた。 これは本来なら指揮官用のシステムを持つトーレ―元ナンバーズ前線リーダー―が持つべき装備品。 だが元々は魔導甲冑のコアに積載されるものではあり、トーレは全体のシステムの高速処理に不具合をきたす として受け取りを拒否した。 そもそもEO自体は攻撃的な性格が強い。ただ攻撃方法が射撃系ということもあり、あまり飛び道具を好まない 武人・トーレにはそれが気に食わなかったようである。 なおトーレは知らないが実はセッテは四基すべてに名前をつけている。 「意外とかわいいところがあるんだよ」 そういったのはフェイトである。だがそれを言われた他の隊員はまず信じない。 「ガリューは今は・・・居ないみたい・・・って」 ルーテシアが呟く。昔に比べればだいぶ改善されたという事ではあるが、やはり聞き逃す事の多い声量で喋る。 「・・・どうしますか?陣地変換して搬入口に船を含めて移動しますか?」 ティアナが些か不安に思うのか代案を出す。 目標の施設のすぐ近くに乗り付けるのは確かに迅速な方法。だが施設自体に何かされていた時に一網打尽となる。 「いや、予定通り任務を実施しよう。ただ、ちょっと布陣を変えようか」 フェイトはしゃがんでルーテシアの視線に併せると 「ルーテシア、ありがとう。こういう情報も、貴重なんだよ」 その言葉を聴いたルーテシアは顔を赤らめてそっぽを向く。 そんな二人を見て頬を膨らませて見ているキャロ。 負のオーラをまとう主人を怖がったのかフリードはエリオの肩に止まって知らん振りを決め込んだ。 命令下達は出来る限り簡潔で判り易いものが望ましい。 その点フェイトも今回指揮下にある二個小隊も飲み込みが早い。 任務手順は昨日のモノと殆ど変わらない。 宿営地の残置・警戒に一個小隊とエリオ・キャロ・ルーテシア。 スミカに示された施設の物資搬入口から突入するのはフェイト自身とティアナ。 入り口と施設の上層を確保するために一個小隊、それにトーレとセッテ。 だが彼我不明の部隊が居る可能性が高い、その可能性を考えると部隊を二手に分けるのは上策ではない。 本来なら二個小隊間の連絡線確保の為に絶えず斥候を出したいところではあるが、戦力の分散を少しでも避けるため 通信線の確保のみにとどめることにした。 フェイトは命令下達終了後、作戦着手前の報告を部隊指揮官たるオーリス一佐に送信、通信機付の隊員に 一声かけると天幕の外に出る。 宿営地内の動きは慌しい。 一個小隊は装輪装甲車の中、もしくは車外に出て待機中。 残置されるもう一個の小隊は今だ残る道路を瓦礫等を使いバリケードや防護壁を作る。 積雪は隊員の歩いた所は大分溶けてはいる。だが、積もった雪はまだ溶ける気配を見せていなかった。 フェイトは同行する小隊の指揮車となる装甲車に乗り込む。 車長と運転手は車両の足回りの点検に暖機運転、通信機のチェックと忙しい。 本来なら空を飛んで行く筈ではあるが自分と"民間協力者”の二人しか飛行できない。 自身のみが先行して施設内に突入するような任務ではないのであくまでもチームで動く。 『そもそも、警戒監視ならあの二人に任せておけばいいか』 車長のすぐ後ろ通信機の前の席に座る。 「ブリキ缶にようこそ。ハラオウン執務官、コーヒーです」 点検を終わらせたのか車長の隊員が備え付けの保温ポッドから注いだコーヒーを差し出す。 「うまいコーヒーですよ、ゴールドコースト・ブレンド」 ブラックコーヒーは苦手だがこうも満面の笑みで勧められれば断れる筈もない。 「頂きます・・・、砂糖やミルクは・・・」 「ないですよ」 「フェイトさん、居残りの機動小隊、配置完了だそうです」 こちらもBJを着用したティアナが車内に乗り込む。 「準備完了、小隊はいつでも出れます」 その後ろには同行する機動小隊の隊長と副官を従えていた。 「了解、では行きましょうか」 小隊長は出発命令を下達、運転手はランプを閉めゆっくりと車両を進ませ、他の車両もそれに倣う。 徒歩の隊員は周囲を警戒しつつ歩き始めた。 ふと、フェイトが上面ハッチを開け、周りを見回す。 見送る隊員達の中にエリオ達を見つける 『じゃあ、行って来るね』 『はい、フェイトさん、お気をつけて』 『気をつけて下さい』 『気をつけて・・・』 『大丈夫だよ。みんなこそ気をつけてね』 通信を送り、手を振る。エリオ達も手を振り替えした。 「フェイトさん、大丈夫かな?」 「大丈夫だよ、心配要らないって」 「キュクー」 心配性のキャロを安心させるようにエリオとフリード―なぜかルーテシアの腕の中―がが声をかける。 「さ、配置につこう」 「うん」 「わかった・・・」 とはいえ宿営地の警戒防護は機動小隊の役目。 三人の任務は遊撃戦力として待機することだった。 目標の物資搬入口まで直線で約五キロ、この距離なら普段ならそんなに時間はかからない。 だが、たどり着くまでに歩くべきは廃墟に囲まれ、大なり小なりの障害物が行く手を阻む。 そしてその廃墟から何かが今にでも飛び出してくるのではないか? 交差点で死角になっている所にも何かが潜んでいるのではないか? 行進する隊員達は絶えず不測の事態に備え歩き、または車両から目を光らせる。 「到着、指示された座標はここですね」 車長が現在地を機器を使って確認、それをフェイトに示す。 「ありがとうございました、小隊長?」 「了解、全周警戒、散開!!」 小隊長は通信機に怒鳴る。そんなに怒鳴る必要はないのに・・・。ティアナはとりとめもなくそう思った。 陣形は円状に広がる全周防御。だが、小隊規模の部隊では大して大きな円陣を作れるわけでもない。 広くなり、薄くなってしまった隊員たちを結ぶ線を支援するための遊撃戦力はトーレとセッテ。 周囲には雪が残っている。建物が崩壊し視界が拓けている側にも廃墟にも雪は積もったままだった。 「ここが物資搬入口・・・、一応地下鉄とかの入り口に偽装してあるみたいですが・・・」 「ちょっと予想外だったかも・・・」 廃墟とはいえ目立つ道路沿いに、おそらくはまだ強度を満たしているであろう地下鉄の路線を利用し、 施設を建設していたようである。 「ウェンズデイ機関が確か旧暦時代の施設を利用していたようですが・・・」 「この地下にあるみたいだけど・・・」 「座標しか貰ってないんですよね・・・。洞窟探検はちょっと・・・」 「私もあまりしたくはない・・・」 フェイトにとってはスカリエッティのラボで、ティアナは廃ビルで、閉所での交戦はあまり良い思い出はない。 「愚痴はここまでにして、ティア、行こう。トーレ、セッテ、じゃあ後はお願いするよ」 上空に腕を組んで仁王立ちするトーレとその横でブーメランブレードを二振り構えるセッテに声をかける。 『お任せください。たとえ敵がいても遅れはとりません』 トーレから帰ってきたのは自信に満ち溢れた言葉。 「さすが二人とも、頼りになるね」 フェイトのその言葉には二人に対する口には出さない暗黙の信頼が深い事を示していた。 「で、早速シャフトですか?」 ティアナがあきれる。 「そうだね。電源が生きてるかどうかだけど・・・。バルディッシュ?」 <システム自体は休止モードのようです。すぐにでも動かせます> 「バルディッシュ、操作よろしく。行くよ」 ハーケンフォームのバルディッシュのコアが数度点滅したかと思うとシャフトが動き始めた。 それと同時に館内灯が灯る。 「よかった・・・。真っ暗闇の洞窟探検なんていやよ、まったく・・・」 ティアナがぼやく。 「大きい施設ですね。通路が余裕で車ですれ違える位ですよ」 「この辺は物資の保管するところかな?ティアナ、マッピングを忘れないで。バルディッシュも」 「了解」 <イエッサー> 二人で歩く通路、それがT字路に差し掛かかっていた。この道から右に進む道があるところを見ると 今自分達が歩いてきた道が施設の外壁ということらしい。 T字路に差し掛かったときフェイトがゆっくりと立ち止まる。 「ティアナ?」 「はい」 フェイトはバルディッシュを、ティアナはクロスミラージュを構える。 「後ろは大丈夫でしょうか?」 「今来た道ならほぼ安全化していると見ていいよ問題はどのくらいいるか・・・」 フェイトはバルディッシュを構えているとはいえほとんど自然体。ティアナには余裕すらそこから感じられた。 「ティアナは横へ!!正面は私が応戦します」 「わかりました!!」 しゃべり終わるのが終わるか終わらないかの前にフェイトが動く。 ほぼ同時にティアナはすばやく反応、右側の通路へ動く。 二人の正面には、戦車の砲塔に足を四本つけたやや小ぶりな機動兵器が出現していた。 「妨害するのならをするなら実力で排除します!!」 フェイトが通信を飛ばし、叫ぶ。 「前に同じ!!」 ティアナも同じよう(?)叫ぶ。 彼らの返答は銃身から放たれる魔力弾のシャワーだった。 「え?・・・何か来る?」 周囲に飛ばしたインゼクト達の話を聞いていたルーテシアが聞き返す。 「ルーちゃん?」 「周りの子達が・・・何かが来るって・・・」 「隊長さん!!」 「どうし・・・」 エリオが留守を預かる小隊長に警報を伝えようとする。 だが、一瞬の差でそれは遅れた。 『長距離誘導弾接近!!各員遮蔽物へ退避、急げ!!』 通信機と直接繋がっているスピーカーががなりたてる。 「く!!」 エリオがキャロとルーテシアを抱え、ビルの陰へと逃げ込む。 警報から数瞬遅れて輸送艦のCIWSが作動、こちらも誘導弾を発射、迎撃コースを取る。 それ専門に調整されたストレージデバイス扱いの長距離誘導弾と制御用の簡素なAIしか積んでいない迎撃誘導弾、 誘導弾同士の戦いはすぐに終わる。迎撃の網を通り抜けて巡航誘導弾が着弾。 『小隊異常ないか?すぐに来るぞ!!』 着弾し、爆音が響く中、小隊長が通信機越しにがなり立てる。 『輸送艦より各隊、センサーに反応多数、お客さんだ』 センサーを統括して管理する輸送艦からの警告。一瞬の静寂、だがそんなものはすぐに途切れる。 「来る・・・!!」 地面が少しだけ揺れている。付近で動いているものは?自分たちしかいない。 他の存在は?先ほどの長距離誘導弾を考えればそう簡単に“お話”を聞かせてはくれそうにない。 エリオがストラーダを構え、道路から出てくるであろう存在を待ち受ける。 「見えた!!キャロ!!」 廃墟側、道路の先から現れたのは四脚の機動兵器。 「うん!!」 キャロによる魔力ブースト、上限をあげるのは無論、エリオの加速とスピード。 「行くよ、ストラーダ!!」 現れた四脚機は両腕の部分に装備された連装機関砲で弾幕を張る。 エリオはその中をシールドを張ることなくジグザグの機動で突破、相手へと肉薄する。 「!?」 突然弾幕が止む。エリオは一瞬驚く。だが、動きを変えることなく相手の懐へ向かう。 はずであった。エリオと四脚機の間に割り込んできたのは青い鳥のような足をした大型の二脚機。 二脚機の左腕が振り上げられ、エリオのストラーダと正面から衝突。 「くっ!!」 ストラーダの穂先と左腕がぶつかった衝撃でエリオの勢いが殺される。 だがそこで只で引き下がるようなエリオではない。ストラーダを振り上げ攻撃を当てようとするが 「まだいる?」 他の期待からの射撃。回避機動を取り若干距離をとる。だが複数の攻撃を流すのは簡単に出来ることではない。 追撃をかわし何とか態勢を立て直す。 「トーレさん、セッテさん!!エリオです。敵性勢力と接触、交戦中!!」 突然割り込んできた青い二脚機数機と交戦しながらエリオが通信を飛ばす。 「判った、だがこちらにもお客さんだ」 『そんな・・・、判りました。自力で対処します』 トーレが腕を組みながら雪煙を上げながら接近する影を見る。 「こちらは増強小隊規模・・・か。セッテ、ノーヴェのように遅れは取るまいな?」 彼らは雪の中に潜んでいた。不寝番のセッテの目と耳を掻い潜って配置につくほどの手錬。 雪をカモフラージュに使い、さらに音も消す。寒冷地仕様に改修しているとしても下手にAPUを動かせば センサーに感知される。それを避けるために機内のヒーターも使ってはいない筈。 先ほどの通信でエリオ達も所属不明部隊と遭遇、フェイトは最奥部に突入したと聞いた。 いきなり分断されたのはまずいがエリオたちヒヨッ子でも三人束になれば難しいわけでもない。 フェイトについては心配は要らないし、していない。 あの元ツインテールも不出来な妹達とはいえ妹を三人、単独で下した相手、心配は無用だろう。 「心配は無用、遅れなど取りません」 不寝番で遅れをとったのが少し応えたのか柄にもなく力をこめて返事を返すセッテに少し驚くトーレ。 これが戦闘機人の完成型だな。そうトーレはセッテを評した。 他の騒がしい妹達を、正直に言えば能力は認めるが不出来な失敗作だと思う。 だが妹のチンクは『私はセインにノーヴェやウェンディのあれは個性だと思います・・・、多分・・・』。 最後は何故か自信なさげに答えていたが・・・。 『こちらはどうする?』 周囲に展開している機動小隊の隊長が通信を送ってくる。 『下手に手を出されてはこちらの戦闘機動の邪魔だ。全周警戒のまま防御円陣を小さくしろ』 『わかった、頼む』 通信を切る。正直トーレの考える先頭においては戦闘において足手まといにしかならない。 「私が前側を掃討する。セッテ、後ろ側を頼む」 「分りました。お前達もよろしく」 セッテがEOを展開し無機質に、だが少しだけ感情がこもった声で答える。 「IS発動、ランドインパルス!!行くぞ!!」 「スロターアームズ!!行きます!!」 戻る 目次へ 次へ
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メッセンジャー対戦 マジカル部部員は、デュエルオンラインやCGIを使わずにメッセンジャーを用いて決闘する。 故に、文字面のみの決闘となるため、非常に分かりづらい。 また、言ってしまえば積み込みもイカサマもし放題である。 部員各々の良心によって成り立っていると言えよう。 ここでは、そんなメッセ戦における基本的なマナーを紹介しようと思う。 ~決闘を始める前に~ 決闘は神聖な競技。礼に始まり礼に終わろう。挨拶を忘れないように。 先攻・後攻を決めるダイスロール/コイントスは第三者の立会いの下行うのが望ましい。 一応、融合デッキの枚数も宣言しておくと尚良い。 自分のデッキに入っているカードの効果の裁定くらいは、事前にしっかり確認しておこう。その場でもめるとややこしいからね。 ~決闘中の情報について~ 相手の場、及び手札をきちんとメモしよう。 墓地はきりがないので、その都度相手に質問しよう。でないと、デュアリスで究極嫁に特攻するハメになるぞ! カードをセットする場合、それがモンスターか魔法・罠か明示しよう。「リバースセット」じゃ分かりにくいぞ! エンドフェイズ毎に手札の枚数やライフポイントを明示すると親切でよい。 ~魔法・罠・効果モンスターの効果~ 効果モンスターの効果・魔法・罠を発動するときには、きちんと「コスト」「対象」を明記しよう。優先権の確認も大事だ。 魔法カードを発動する際には、それが手札からか場からか分かるようにしないと相手の計算が狂ってしまうぞ! ~その他~ 決闘中に他の参加者が無駄話をしていても許せるような広い心を持とう。 文字を打つだけなら誰でも出来る。デッキに応じたキャラ作りをするのも、決闘を盛り上げる為には必要なことである。例:【D-HERO】を使う際に「カモン!」「エフェクト」「僕」を使う。 名前 コメント
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プロローグ 11月27日 2030時(現地時間) イギリス ロンドン郊外 ロンドン郊外にある大きな館。 ミスリル創始者であるマロリー伯爵の館である。 「それで今日は何の用だ?」 客間で旧友と会っているマロリー卿が言う。 旧友―――長い付き合いだがどこで何をしているか、いまいち分からない友の髪は もう自分と同じように白くなっている。 その旧友の後ろに護衛として二人の黒髪の男が控えている。 「何、個人的な頼みがあるんだ・・・」 「個人的な頼み?」 マロリー卿が怪訝そうに聞き返す。 「・・・ミスリルの部隊を貸して欲しい。」 「馬鹿な。我々ミスリルは国際紛争の火消し役だ。ごく個人的なことでは 動かすことはできない。それは出資者であるお前もよく分かってるはずだ。」 取り付く島もなくマロリー卿は断る。しかし久しぶり尋ねて来た旧友は続ける。 「なんらかの組織が日本で作戦を起こすという情報があるのは マロリー、お前も知っているだろう。この頼みはそれと関係しているんだ。」 旧友の言葉にわずかに目を細め、マロリーは黙る。なぜそのことを知っているのか? もう二十年以上の付き合いになるが、この旧友の得体の知れなさは相変わらずである。 そして30秒ほど考え込み答えた。 「分かった。ちょうど日本に常駐している作戦部のエージェントを知っている。 しかし、情報の出所が不明な点を考慮して派遣できるのは少人数になる。 何かの陽動の可能性もあるといかんのでな。」 マロリー卿は自分の人を見る目を信じて見ることにし 先日、ミスリル上層部の前で啖呵を切った若い傭兵を思い出した。 そうして、海鳴市に戦争馬鹿が派遣されることが決定された。 11月31日 1710時 東京都 陣代高校生徒会室 授業が終わり特に生徒会の仕事もなく家に帰っても暇なときは 生徒会のメンバーはここで好きなことをして時間を潰す。 かなめも特にすることがないらしく、生徒会室の備品であるテレビで再放送のドラマを見ている。 宗介も机で書類を作成していた。香港での事件後に上層部と掛け合った契約内容の変更についてのだ。 ちょうどテレビのドラマが後半に差し掛かるときに宗介の携帯が鳴った。 「相良だ。・・・了解、ポイントエコーで合流する。」 そう言って帰り支度を始める宗介にかなめがテレビから視線を外して聞く。 「どこいくのよ、宗介。まさかまた任務じゃないでしょね?単位やばいってのに平気なの?」 「肯定だ。単位は何らかの口利きをしてくれると言っていたので 長い任務になるかもしれん。なるべく一人で出歩くなよ。」 「長いって、どれくらいになるの?」 「分からん。もしかすると冬休みにまでずれ込むかもしれん。」 そういって、支度を整え終え宗介は生徒会室を出る 「・・・ホント大丈夫なの?ちゃんと早く帰ってきなさいよ。」 「了解した」 11月31日 1924時 MH-67 ペイブ・メア 汎用ヘリ コールサイン "ゲーボ9" 「なあ、姐さん。かなめの護衛任務のときに経験したとは言え この装備はいくらなんでも過剰じゃねぇか?今回は俺ら3人だけじゃなくて 情報部の奴も参加するんだろ?」 絵に描いたような金髪碧眼の美形―――クルツ・ウェーバー軍曹は チームリーダーであるメリッサ・マオ曹長に素直に疑問をぶつける。 「アンタ、少佐の説明に聞いてなかったの。情報部の援軍と言ってもたった一人だけなのよ。 私たちが選ばれたのもかなめの護衛任務の経験があったからでしょうね。」 「しかしねぇ、一回やったとは言えASを持って来るのは、やっぱりやりすぎだろ。」 クルツは自分がやりすぎと称した装備―――ASを見る。 それは一見、華奢そうに見えるが力強い人型をしていて装甲板と頭部は丸く ブレードアンテナが伸びていた。ミスリルが所有している第三世代ASのM9である。 確かに過剰と言えば過剰かもしれないが・・・ 「この少人数でやるなら不可視型ECSを搭載したASのセンサーと火力がいるわよ。」 「そういうもんかね・・・おい、ソースケ何してるんだ?」 クルツは興味が失せたらしく、宗介のほうを向く。 「契約内容の変更に必要な書類の確認だ。学校に通えるように最大限の便宜を図ってくれるそうだ。」 「本当に契約の変更するのかよ。俺もあやかりてーな。」 「ならばお前も上層部に掛け合ってみるか?」 さらっと宗介は恐ろしいことを口にする。クルツはそれを聞いて即答した。 「いや、止めとくぜ。そのままクビになりそうだし。それにしても今回の任務、お前はどう思う?」 マオにぶつけた質問をクルツは宗介にも聞いてみる。 「任務の目的が不透明で人員が少ないのは、いつものことだ。早く終了して欲しいとは思うが」 「そうじゃなくて、今回の護衛対象だよ。まだ九歳の女の子とその親戚だぜ? この娘たちもかなめの同類なのかね。」 宗介は少し考え込み返答する 「資料にはウィスパードやそれに類する単語はなかった。ただこの娘と親戚が 何らかの組織に狙われている可能性があるから最大一ヶ月間護衛せよというだけだ。」 「ウィスパードでもないのに九歳の子供が狙われる理由ね・・・。防衛省に紛れ込んでる スパイの名前でも知ってしまったのかね~。」 「それは分からん、ただ一ヶ月護衛すればいいと言うのだから時間が解決する類のものなのかもしれん。」 それを聞いてクルツは、もう一度資料に目を通す。 ――――――――八神はやてとその親類たち それが今回の護衛対象である。 目次へ 次へ
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海鳴市のとある公園。そこのベンチに一人の男が座っている。 (あーあ……間抜けなくらい青い空だなあ……) 楽しそうに遊ぶ子供たちの声をBGMに男は空を眺める。 どこまでも続く青い空に所々に点在する白い雲。それらは見ている者の心を優しく癒やしてくれる。 空に向かい右手をかざす。 (ああ……まただよレム……。笑っちゃうなあ……もう叶いやしない事なのに……君にもこの景色を見せたいと思ってるんだ……俺は) 青空にレムの姿が浮かび上がる。 もうこの世にはいない人の姿。 右手を伸ばす。 そうすれば空に映るレムに届くと思って。 だが、右手は当たり前のように空を切る。 何にも触ることはない。 当然だ。レムはこの世に居ないんだから。 空を切った右手を寂しそうに見つめ、苦笑する。 「ほら、やっぱりヴァッシュさんだ!」 その時、聞き覚えのある声がした。 声がした方にいるのは一台の車とその後部座席に乗る二人の少女。 二人は車から出て、こちらへと歩いてくる。 「こんなとこで何してるんですか?」 「バカ、大の男がポツンと公園にいるのよ。サボりに決まってんじゃない」 「えぇ!?そうなんですか!?」 好き勝手に言葉を飛ばす少女たち。 だが男はそんな少女たちに言葉を返さず、和やかな笑みを浮かべる。 「どうしたの?ヴァッシュさん」 その様子を不思議に思った少女が問う。 「いや、なんでもないさ……」 男は少女たちの頭の上に手を置く。 いきなりの事に二人は困惑してしまう。 (……レム。やっぱり君にも見て欲しかったな……この平和な世界を……) 手を置いたまま男は透き通るような青空を眺める。 いつもと様子の違う男を見て、少女たちは不思議そうに顔を見合わせる。 「大丈夫……?」 少女たちから気遣いの声が飛ぶ。 そんな少女たちに男は―― 「よし!二人ともアイス付き合え!」 ニコリと笑いかけそう言った。 ■□■□ すずかは一人図書館にいた。 山のようにある本、静かで落ち着きのある空間、読者好きにはたまらない場所。 すずかはこの図書館が大好きだった。 何十とある本棚と本棚の間を歩く。 本を探すこの時間も好きだ。 本棚のジャングルを歩き自分の求める本を探す。まるで宝探しゲームみたいで何だかワクワクする。 そんなことを考えながら歩いていると、お目当ての本棚を見つけた。 それはファンタジー系の本棚。 本棚の前に立ち、今日読む本を選ぶ。 タイトルだけ見ても面白そうな本ばかりにすずかは悩む。 手を右に左に動かし、本を取っては戻す。 と、その時、本と本棚の間から一人の少女が見えた。 その少女は車椅子に座っており、上の方の本に向かって手を伸ばしている。が、あと少しというところで届かないらしく、精一杯手を伸ばし続けている。 それを見たすずかは、車椅子の少女の方へ駆け出す。 「これ、ですか?」 すずかは少女が求めてるらしき本を取り、女の子に渡す。 「あ……。ありがとうございます」 車椅子の少女は少し驚いたような顔をした後、微笑みながら礼を言った。 それからすずかと車椅子の少女ーー八神はやてが、友達になるのに大して時間はかからなかった。 二人は他の人の迷惑にならないよう小さな声で話す。 自分のこと、好きな本のこと、他愛もないこと。二人は会話に花を咲かせる。 とても楽しい時間が過ぎていった。 「あ、もうこんな時間や」 はやてが時計に目をやり驚く。 もう五時を回っている。話に夢中で気づかなかった。 「ごめんな、すずかちゃん。私、もうそろそろ帰らんと……」 残念そうな顔をしながら謝るはやて。その顔は帰りたくないことを、ありありと語っていた。 「ふふ、はやてちゃん帰りたくなさそう」 「う~そうなんやけどな……みんなのご飯作って上げへんと」 そのはやての言葉に感心しながらすずかは車椅子押していく。 出口へ向かう間も二人の会話は止むことはなかった。 出口に一人の女性が立っていた。 女性はすずか達に気付くと、その穏やかそうな顔に微笑みを浮かべ、お辞儀をする。 その丁寧な仕草にすずかもお辞儀を返す。 「すずかちゃん、また会おうな」 はやてはそう言い、女の人に押されていく。 女の人ははやてちゃんの家の人らしく、手慣れている。 「また会おうね。約束だよ」 すずかも、その後ろ姿に語りかけながら手を振る。 「うん!約束や」 はやては後ろを振り返りながらそう言い、手を振る。 最後に女の人が、もう一度お辞儀をし二人は去っていった。 「八神、はやてちゃんかぁ……」 一人残されたすずかははポツリとそう呟く。 その顔には笑み。 新たな出会いに喜びを隠しきれない、そんな笑みを浮かべていた。 ――それは小さな出会い。 帰り道、はやてはシャマルに今日起きたことを語る。 すずかとの出会い。どんなことを話したか。 話したいことは山のようにある。 それらを一つ一つ楽しそうに口に出していく。 ――心優しい少女と車椅子の少女との小さな出会い。 二人は笑いあいながら進んでいく。 そんな二人の進行方向に、一人の女と一人の男が立っている。 ――だが、この出会いによって今まで噛み合うことのなかった歯車と歯車が噛み合う。 はやてはその二人に気付くと、嬉しそうに手を振る。 ――それらが噛み合ったことにより、何が起こるかはまだ誰にも分からない。 二人に向かいはやては満面の笑みを浮かべる。 ――だが、それでも歯車は止まることはない。 「待っていました、主はやて」 ピンク色の髪をした女性は、意志の強そうなその顔に小さな笑みを浮かべる。 「遅いぞ、はやて」 そしてもう一人の金髪短髪の男は表情を変えず、そう言った。 「ごめんなー、ちょっと時間見るの忘れててもうてな」 そんな二人に向けはやては謝罪を述べる。 「あぁ、そや。みんな今日の晩御飯何がええ?」 「ええそうですね、悩みます」 「俺は何でもいい」 微笑む女とは対照的に男は憮然とした顔で呟く。 「むー遅刻したこと怒っとるんか?」 「別に怒ってなどいない」 「だって笑ってないやないか」 男は溜め息を一つつく。 「だったら今日は俺の好きな料理を頼む」 その顔には小さな微笑み。 それを聞きはやてはドンと胸を叩く。 「まかせとき!―― ――もし止まる時があるのなら ――ナイブズ!」 ――それはどちらかの歯車が壊れた時だろう。 ■□■□ PM7 45――はやてとすずかの小さな出会いから数時間後の海鳴市市街地。 そこから百数十m上空。 そこに彼女達はいた。 一人は赤髪の少女。 もう一人……いや、もう一匹は大型の狼のような蒼い毛並みの獣。 「どうだヴィータ。見つかりそうか?」 獣の方から男の声が響く。 「いるよーな……いないよーな」 獣が喋るという有り得ない出来事に動じることなく、ヴィータと呼ばれた少女は返事を返す。 ヴィータの手には一冊の古ぼけた本と一振りのハンマー。 少女には似つかわしくないその姿が、ヴィータにはどこかしっくり来る。 「こないだっから時々出てくる妙に巨大な魔力反応。あいつを捕まえれば一気に二十ページくらいいきそうなんだけどな」 ヴィータはハンマー――グラーフアイゼンを肩に乗せそう呟く。 「別れて探そう。闇の書は預ける」 「おっけーザフィーラ。あんたもしっかり探してよ」 「心得ている」 獣――ザフィーラはそう言うと後ろを向き空を駆けていく。 ザフィーラが去るとヴィータはグラーフアイゼンを振りかざす。 それと同時にヴィータの足元に赤色の光を放つ魔法陣が現れる。 「封鎖領域展開!」 『魔力封鎖』 その言葉と共に半透明な紫色の何かが広がっていく。 それはみるみるうちに大きさを増していき、市街地を覆っていく。 市街地を歩く人々や道路を走る車はそれに触れたそばから消えてしまい、市街地には誰もいなくなる。 それでもなお、それは勢いを弱めず範囲を広げていく。 そして、それは高町家にも到達する。 ■□■□ PM7 45――はやてとすずかの小さな出会いから数時間後の海鳴市市街地。 そこから百数十m上空。 そこに彼女達はいた。 一人は赤髪の少女。 もう一人……いや、もう一匹は大型の狼のような蒼い毛並みの獣。 「どうだヴィータ。見つかりそうか?」 獣の方から男の声が響く。 「いるよーな……いないよーな」 獣が喋るという有り得ない出来事に動じることなく、ヴィータと呼ばれた少女は返事を返す。 ヴィータの手には一冊の古ぼけた本と一振りのハンマー。 少女には似つかわしくないその姿が、ヴィータにはどこかしっくり来る。 「こないだっから時々出てくる妙に巨大な魔力反応。あいつを捕まえれば一気に二十ページくらいいきそうなんだけどな」 ヴィータはハンマー――グラーフアイゼンを肩に乗せそう呟く。 「別れて探そう。闇の書は預ける」 「おっけーザフィーラ。あんたもしっかり探してよ」 「心得ている」 獣――ザフィーラはそう言うと後ろを向き空を駆けていく。 ザフィーラが去るとヴィータはグラーフアイゼンを振りかざす。 それと同時にヴィータの足元に赤色の光を放つ魔法陣が現れる。 「封鎖領域展開!」 『魔力封鎖』 その言葉と共に半透明な紫色の何かが広がっていく。 それはみるみるうちに大きさを増していき、市街地を覆っていく。 市街地を歩く人々や道路を走る車はそれに触れたそばから消えてしまい、市街地には誰もいなくなる。 それでもなお、それは勢いを弱めず範囲を広げていく。 そして、それは高町家にも到達する。 『警告、緊急事態です』 最初にそれに気付いたのはレイジングハート。 冷静に状況をなのはへと伝える。 いきなりのレイジングハートの言葉に困惑するなのはだが、次の瞬間にその意味を理解する。 「結界!?」 なのはは驚愕の声を出しながら辺りを伺う。 (近くにはいない……?) その時、レイジングハートが再び声を上げる。 『対象、高速で接近中』 「向かってきてる……」 なのはは窓の外を眺める。 何が何だかはさっぱり分からない。でも―― 数瞬の迷いの後、なのはは顔を上げる。 その顔にはあるのは決意。 なのははレイジングハートを首に巻き部屋を飛び出した。 ■□■□ ――それから時は少し遡る。 P.M7 30――ヴィータたちの襲来の十五分前。 まだ、なのはが勉強をしていた時間。 「……ガッ!グ……ガァッ!」 高町家の一室にある男のうめき声が響いていた。 男――ヴァッシュ・ザ・スタンピードはベッドの上で、苦しそうに顔を歪めている。 何に彼は苦しんでいるのか? 答えは単純にして明快である。 「グッ……ッ~~!……お腹が~!……ノォ~~!」 腹痛――それが彼を苦しめていた。 腹痛になった理由もまた単純。 食べ過ぎ。 昼にはアリサとなのはと共に山ほどのアイスを食べ、その後もなのはの制止を聞かず夕食を食べまくりーー結果、今の状態。 元気が取り柄のヴァッシュが、いきなり腹を下したことに士郎や桃子は心配するが、理由を聞いた途端に呆れてしまい、胃薬を渡し部屋へと帰っていってしまった。 なのはも心配してはくれたもののすぐに部屋へ戻ってしまい、ヴァッシュは腹痛との孤独な戦いを繰り広げるはめとなった。 「おぉぉお、もう無理~~!!」 ヴァッシュはそう叫ぶと、遂にトイレへと直行した。 ――只今、主人公が大変見苦しい行為をしております。 チャンネルはそのままに、しばし御辛抱下さい。 ――それから数分後、ヴァッシュはこれ以上ない最高の笑顔でトイレから出て来た。 「いやぁ~すっきりした」 ヴァッシュはそう言い、ベッドに寝転ぶ。 (もう1ヶ月か……) ふと、カレンダーを見るとそんな事に気付いた。 平和で穏やかな日々。 充実していて退屈など感じる暇もない毎日。それは凄まじいスピードで駆け抜けていった。 色んな人と知り合うことも出来た。 アリサ、すずか、公園で遊んでいる子供たち、商店街で店を開いている気のいいおじいさんやおばあさん。 みんな優しい人達ばかり。 いつまでも続けばいい……この日々が……。 そういえば、あの時拾われてなければ死んでたかもしれないんだよな……。 いくら感謝しても感謝しきれないほど、なのはには感謝している。 『私……ヴァッシュさんがいて迷惑なんて全然思わない!ヴァッシュさんが傷つくのなんて絶対やだよ!』 あの時の言葉は今でも覚えている。 出て行こうとした自分を泣きながら引き止めてくれたなのは。 赤の他人のはずなのに、一日と一緒に過ごした訳でもないのに引き止めてくれた。 ――ありがとう。 壁の向こうに居るはずのなのはにヴァッシュは心の中で礼を言い、就寝の準備を始めた。 ――もしヴァッシュが腹痛に陥ることなく、少し早い眠りについていればそれに気付くことはなかったのかもしれない。 そうなっていたのなら、ヴァッシュには平和で穏やかな日々が続いただろう。 (――空気が変わった?) ――だが、ヴァッシュはそれに気が付いてしまった。 それは僅かな異変。熱砂の星で生き抜いてきたヴァッシュだからこそ感じ取れた微細な変化。 不思議に思ったヴァッシュは窓から外を眺める。 だが、窓から見える景色はいつもと全く変わらない。 (……何かおかしい) それでも徐々に不安になってくる。 何が起きている。 それは確かだ。 ヴァッシュは部屋に置いてある一つの棚に目をやる。 そこに入っている物は自分があの世界から持ってきた唯一の持ち物。 ヴァッシュは数瞬の迷いの後、棚に近づいていく。そして引き出しに手をかけ――開けた。 出てくるのは銀色のリボルバー銃。 この世界では触ることの無いと思っていた相棒。ヴァッシュはそれを手にし外に駆け出した。 ■□■□ 外に出てすぐに、ヴァッシュは異変の正体に気が付いた。 (何だこの静けさは……?) さっきから物音がしない。 近所の家族の団欒の声も、帰り道を急ぐサラリーマンの足音も、何もしない。 異常なまでの静寂が周囲を包んでいる。 訳も分からず辺りを見回すが、いつもと変わらない。ただ一つ物音がしないのを除いては。 その時、最悪の考えが頭をよぎる。 (みんなは……なのは達は!?) ヴァッシュは慌てて高町家に戻っていく。 (……まさか) 扉を勢い良く開け、家の中へと踏み込む。 人の気配が……しない。 「なのは!士郎さん!」 返ってくるのは沈黙のみ。 階段を駆け上がり、片っ端から部屋を探し回る。 ヴァッシュの顔に焦りが浮かぶ。 一つの部屋を探し終えるたびに、焦りの色が濃くなっていく。 数分後、ヴァッシュは最後の部屋――なのはの部屋の前に立つ。 ――いるはずだ。 自分自身に言い聞かせる。 この部屋にいるはずだ。なのはも、士郎も、桃子も、恭也も、美由希も――みんな。 そう、これは只の勘違い。俺が勝手に焦って、一人で走り回ってた。 ただ、それだけのこと。 ゆっくりとドアノブを掴む。 (いるはずだ。当たり前じゃないか。みんなが消えるなんてそんなバカなことがあるはず――) そしてドアを開けた。 瞬間、ヴァッシュは目の前が暗くなるのを感じた。 (そんな……バカな!) ――誰もいない。 士郎さんも、桃子さんも、恭也も、美由希も、なのはも、誰もいない。 外へ飛び出し、叫ぶ。 「誰か!誰かいないのか!」 返答してくれる者はいない。 なのは達が――いや、誰もいない。 まるでマジシャンが手に持つボールを消すように、消えてしまった。 ヴァッシュは駆ける。人を求めて。 だが誰もいない。人っ子一人見当たらない。 遂には、市街地にまでたどり着くが、そこでもそれは変わらない。 普段だったら人々で賑わっているはずの街も、嘘のように閑散としていた。 「誰か……誰かいないのか!」 何かにすがるかのような虚しい叫びが無人の街に響き渡る。 だがそれは夜の空に吸い込まれ霧散するだけ。 答えを返すものはどこにもいない。 「くそっ!」 ヴァッシュは憤りを吐き再度走り始める。 分けがわからない。 なぜ、誰もいない? みんなはどこに消えたんだ? なぜ、俺だけ取り残された? 頭に浮かぶ数多の疑問。 ヴァッシュの心を絶望が満たし始め、遂に―― ――足が止まる。 体が震えそうになるのを必死に抑える。 何かが、何かが変だ。 いくらなんでも人がいきなり消滅するなんて有り得ない。 さっきまでは普通に生活していたんだ。 それがいきなり――そうだ。あの時、空気の変化を感じ取った時。 あの時に、なにかが起きたんじゃないのか? ヴァッシュは必死に考える。この事態の解決策を見つける為に。 ――例えば、幻術をかけられたとか? いや、ありえない。 あの時、自分は部屋に居た。他には誰もいなかった。 流石に姿を見せることもなく幻術をかけられる訳がない。 なら、何なんだ? 結局は堂々巡り。 自分以外の海鳴市に住む人々を消す。 そんな魔法みたいなことが出来る訳がない。 「どうなってるんだ……」 誰でもいい教えて欲しい。 力無くヴァッシュがうなだれた。その時―― ガァン! ――不意に、何かが聞こえた。 それは何かがぶつかり合うような音。 音のした方向は上から。 ヴァッシュは慌てて上に視線を動かす。 が、そこには何もなく星が輝いているだけ。 (気のせいか……) 余りの事態に耳までおかしくなったらしい。 ヴァッシュは薄く自嘲の笑みを浮かべる。 「きゃぁあああーーー!」 次の瞬間、少女――高町なのはの悲鳴がヴァッシュの耳を貫いた。 ■□■□ 無人の市街地。 そこにそびえる数多のビル。 その内の一つの屋上、そこに高町なのはは立っていた。 辺りの夜空を探るが、視認できる範囲には誰もいない。 困惑していないと言ったら嘘になる。 いきなり発生した結界。自分へと迫る何か。 それらが何なのかは全く分からない。 疑問が頭の中に浮いては消える。 だが、なのはには信念がある。 大変なことが起こるのなら止める。誰かが襲ってくるのなら話し合う。 どんな状況でもそれは変わらない。 止めるため、話し合うため――なのはは行動する。 『来ます』 レイジングハートの声が響く。 それと同時に、何か風を切り裂くような音がなのはの耳に届いた。 音の方に目をやると、赤色に光る何かが見える。 『誘導弾です』 それが何なのか理解する前に、レイジングハートが警告を発した。 その正体は魔力弾。 それが赤い光を纏い流星の如くスピードで迫ってくる。 いきなりの攻撃に驚きつつも、左手を突き出し障壁を張る。 レイジングハートを起動する暇はなかった。 直後、魔力弾と障壁が衝突する。 強い。 たった一発の魔力弾で、この術者がかなりの実力者だということが分かる。 なのはは吹き飛ばされないよう、踏ん張りながら魔力を高める。 魔力が障壁に流れていき硬度が増していくのが分かる。 これなら盾は破られない。 ほんの少しなのはは安堵する。 だが、そんななのはに―― 「テートリヒ・シュラーク!」 ――襲撃者の追撃が襲った。 魔力弾とは反対の方向からの不意打ち。 迎撃をする暇もない。 それでも何とか障壁を発生させる。 瞬間、障壁と相手の武器が激しくぶつかり合う。 (何て……力……!) 轟音と共に魔力弾を遥かに凌駕する力が盾を通して伝わってくる。 魔力弾とヴィータ。 二つの方向からの力は着実になのはを追いつめていく。 「くっ……!」 問題は赤服赤髪の少女の方。その姿からは想像出来ない程の力だ。 障壁が悲鳴を上げ始める。 レイジングハートの補助があるのならまだしも、今のなのはには耐えられない。 そして遂に―― 「きゃぁあああーーー!」 ――叫び声と共になのははビルから吹き飛ばされた。 「うぅ……」 なぜ、あの子は攻撃をしてくるのか。 なのはは落下しながら考える。 一つだけ確かなことはあの子が私を襲ったという事実だけ。 話し合おうとする暇もなかった。 なのはの心に迷いが生まれる。 だが、なのははすぐに覚悟を決める。 「お願い、レイジングハート!」 それは戦いを始まりを告げる叫び。 『OK.Set up』 レイジングハートはそれに答える様に声を上げる。 淡い光がなのはを包み込む。 本当は話し合いたかった。ちゃんとお話しをすれば分かり合えるはずだから。 でも、何も言わないで襲ってくるのなら……! なのはの体に力が流れ込んでくる。 それは自分の意志を、信念を突き通す為の力。 そして、みんなを護る為の力が、全身にみなぎっていく。 なのはは戦う事を決意した。 ヴィータは光に包まれるなのはを見て攻撃の準備をする。 目的は相手を戦闘不能に追い込むこと。 わざわざ正面から戦う必要はない。 手に現れた砲丸大の魔力弾を宙に投げ、なのは向け撃ち出す。 が、その攻撃はなのはに防がれ、爆煙が立ち込める あれだけの魔力反応を持っているんだ。これくらいやらるのは当然。 (本命はこっちだ!) 「うおりゃああーーー!」 気合いと共に、爆煙の中心――なのはの居るであろう位置に、グラーフアイゼンを振り抜く。 「……いきなり襲いかかる理由はないんだけど、どこの子?何でこんなことするの?」 だが、その攻撃も不発に終わる。 そこにはアクセルフィンにより高速移動したなのはがいた。 ヴィータの敵意ある眼差しを見つめ返し、なのはは語り掛ける。 ヴィータは聞く耳を持たず、魔力弾を形成する。 「教えてくれなくちゃ……分からないってば!」 それを見て、遂になのはが攻撃に転じる。 先ほど、回避行動のとき爆煙に紛れさせて形成させた二つのディバィンシューター。 それが背後からヴィータを狙う。 「くっ!」 だがさすがは、と言うべきかヴィータはギリギリで一撃を回避、そしてもう一撃をグラーフアイゼンで防ぐ。 だが、なのはの攻撃はこれで終わらない。 すぐさま、もう一つの魔法を発動させる。 それは、なのはが最も得意とする魔法。 「なっ!?」 それを見てヴィータの顔に驚愕が張り付く。 「話してくれなくちゃ、分からないってばー!」 叫びと共にレイジングハートの先から桜色の光ーーディバィンバスターがほとばしった。 砲撃魔法。 単純にして強力な攻撃。 それは生半可な防御など意味を持たない。 ヴィータにある選択は回避のみ。 必死に身をよじり、体の位置をずらす。が、それだけで避けきれる訳もなく――桜色の光がヴィータを掠めた。 掠めただけなのに関わらずもの凄い衝撃が体を揺らす。 吹き飛ぶ体を何とか制御する。 ――そしてボロボロになり吹き飛ぶ帽子が目に入った。 瞬間、頭が沸騰する。 ぶっ飛ばす。 その言葉が頭を埋め尽くす。 戦闘不能にすることなど頭から吹っ飛んでいた。怒りに任せ叫ぶ。 「グラーフアイゼン、カートリッジロード!」 『Explosion』 ガコン、という音と共にグラーフアイゼンがカートリッジをリロードする。 溢れるような魔力がヴィータに流れてきて、グラーフアイゼンが形態を変える。 その形態の名はラケーテンフォルム――グラーフアイゼンの直接攻撃に特化した姿だ。 「えぇっ!?」 それを見たなのはは驚愕する。 赤髪の少女がカートリッジロードと叫んだと同時に魔力が爆発的に増大し、デバイスが姿を変えた。 飛び出したスパイクに、片側にあるロケットの噴射口のような物。 その姿は先ほどまでと比べて明らかに攻撃的に見える。 今までの戦いで、見たことのない現象になのはは驚くことしか出来ない。 「ラケーテン・ハンマー!」 ヴィータがそう叫ぶと、噴射口から炎が吹き出し、独楽のように回り始める。 始めは緩やかだった回転速度も一回りするごとに速さを増していく。 そして、トップスピードに達した瞬間なのはに突撃して来た。 今までの攻撃のどれよりも速い。 十数メートルはあった距離を一瞬でつめる。 だが、流石はというべきか、驚くべき反応でなのはは障壁を張る。 「うおりゃあーー!」 轟音があたりに轟く。 グラーフアイゼンと障壁がぶつかり合い鮮やかな火花を散らし――障壁は一瞬の均衡の後易々と破れた。 「えっ?」 驚くことしか出来なかった。気づいたらレイジングハートに相手のデバイスが突き刺さっていて、それはガリガリとレイジングハートを削っていく。 「だありゃあーー!」 ヴィータはグラーフアイゼンを気合いと共に振り抜いた。 「きゃああぁぁーーー!」 あまりの衝撃に姿勢制御が出来ない。 グルグルと回転しながらなのははビルの一つへと突っ込んだ。 「ケホ……ケホ……」 体が痛む。 バリアジャケットがなかったら大変なことになっていただろう。 なのはは体の痛みを押し殺し立とうとして――ヴィータの追撃が襲った。 『プロテクション』 レイジングハートが自分の主を守るため独自に防御魔法を使用する。 敵の攻撃により故障寸前な自分を省みない捨て身のプロテクション。 ――だが、それすらも 「ぶち抜けーー!」 『了解』 破れ去った。 なのはは敵のデバイスが自分の体に吸い込まれていくのを見た。 もはや、何もすることも出来ない刹那の時間。 敵のデバイスが体に当たった瞬間、バリアジャケットがパージされ、後ろに弾け飛ぶ。 後ろには壁。 そこに叩きつけられた。 それと共に激しい衝撃がなのはを襲――わなかった。 いや、衝撃自体は来た。が、それは対したものではない。バリアジャケットがパージされた今、なのはを護るものはない。 その状態であれだけの勢いで叩きつけられたのだ。 もっと激しい衝撃が体を襲うはずだ。 それどころか柔らかい何かに包まれているような感じがする。 なのはは不思議に思いながら目を開く。 途端、なのはの目が驚愕に見開かれる。 何でここに。 あまりの出来事に思考が止まる。そして何故か安堵感がこみ上げてきた。 それは金髪の男。 男は自分の体をクッションにするかの様になのはと壁との間に身を置いている。 男の頭から一筋の血が流れる。 「大丈夫かい」 男はそれを拭おうともせずなのはに呟く。 その顔にはこの場にそぐわない微笑み。 男――ヴァッシユ・ザ・スタンピードが現れた。 ■□■□ ヴァッシュは階段を駆け登っていた。 先ほどまでのように人を探す為ではない。 その理由はただ一つ。 ――なのはを助ける為に。 正直に言えば自分の見た光景は信じられなかった。 叫び声の上がった方を向くとなのはが落下していて、光が包んだこと思うと空を飛んでいた。 その前まで考えていた疑問の何もかもを頭から吹き飛ばす程の驚愕が襲った。 そして、それと同時に体が動き出した。 それは砂漠の世界を生き抜いて来た男の第六感というものなのか。 ヴァッシュは分かってしまった。 今、なのはが相手しているのは並大抵の敵ではないと。 その姿からは想像出来ない程の力を有していると。 ――そして、なのはが危険だと。 だから駆け登っていた。 なのはを助ける為に。 なのはを援護出来る場所へと移動する為に。 ようやくビルの中腹へとたどり着いたところか。 ふと、ビルの中を見回し確認する。そして再び階段を駆け上がろうとして――轟音と共にビルが揺れた。 音の出どころはすぐ近く。ヴァッシュは慌てて音のした方へと進む。 そして見た。 煙の中咳き込むなのはを。 ヴァッシュはそれを見た瞬間駆け出した。 だが、ヴァッシュよりも早くなのはに辿り着いた者がいた。 それは赤い服を着たまだ幼い一人の少女。 だが、少女はその見た目からは想像もつかない程のスピードでなのはにハンマーを振るう。 なのはも負けじと何かを出したが、均衡は一瞬。 敵の攻撃を直撃しなのはが吹き飛ばされる。 そして、なのはと壁の僅かな隙間にヴァッシュは飛び込んだ。 凄まじい衝撃と共にヴァッシュは壁へと突っ込む。それでも、なのはは離さない。 「大丈夫かい」 「ヴァッ……シュ……さん」 「……ごめんよ、遅くなって」 そして告げる。 体中の痛みを気にすることもなく微笑みながら、なのはに告げる。 その心に広がるのは安堵感。 「誰だよ、お前」 そんな二人にヴィータがグラーフアイゼンを突きつける。 それに対しヴァッシュは腰に手を動かす。 銃が刺さっているはずの腰に。 だが、そこで気付いた。 (……銃がない!?) ないのだ。銃が。 確かに腰に差しておいた筈の銃がなくなっている。 マズい。目の前の少女は銃無しで戦える程甘い相手じゃない。 ヴァッシュは慌てて周りを探る。 すると、数メートル先に銃が転がっているのを発見した。 なのはを助けた時に吹き飛んだのか。 ヴァッシュは銃に向かい飛びつこうとする。が、思いとどまる。 自分が動けばこの子はなのはを攻撃するだろう。 動けない。 その間にもヴィータは一歩一歩近付く。 それに対しヴァッシュは、盾のようになのはの前に立つことしか出来ない。 今、ヴァッシュに出来ることは自分を犠牲にして、なのはが攻撃される瞬間を先延ばしにすることだけ。 それでも、ヴァッシュは諦めない。 なら、倒れなければいい。向こうが諦めるまで自分が倒れなければ、なのはは助かる。 そりゃあ痛いのは怖い。でもそれでなのはが助かるのなら安いもんだ。 「ヴァッシュ……さん!ど……いて!私……なら大丈夫……だか……ら!」 後ろからなのはの声が聞こえる。 ヴァッシュは首を回し、安心させるように微笑む。 「大丈夫さ、僕はこう見えても頑丈なんだ」 ヴィータはそんな二人を見ながらグラーフアイゼンを振り上げる。 ヴァッシュは自分を襲うであろう衝撃に身構える。 (やだよ……こんなの……誰か……ユーノ君……フェイトちゃん!) そして、ヴィータはグラーフアイゼンを振り下ろした。 「ごめん、遅くなった」 さっきのヴァッシュと同じ言葉。 でも、それはヴァッシュのものではなく、どこか懐かしい声。 なのははハッと目を開く。 そこには見覚えのある少年の姿。 そしてヴァッシュをの前に立ちヴィータの攻撃を防いでいる少女の姿があった。 「仲間か……」 ヴィータは一歩距離を取り忌々しげに呟く。 それに少女は小さな呟きで答える。 「違う……友達だ」 少女――フェイト・テスタロッサはヴィータを睨み、バルディッシュを構える。 その目には小さな怒り。 ――これは長い長い戦いのほんの序曲。 いや、序曲すら始まったばかり。 人間台風。管理局。謎の襲来者。 この三人の演奏者たちは何を奏でるのか。 ――歯車は加速する。 前へ 目次へ 次へ
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プロローグ 『ある事件の結末』 全てはここから始まる。 「……どうして……なんでなの……なんで殺したのッ!うあああああッッ!!」 泣き崩れるなのは。 膝を突き、涙を流し、嗚咽は聞いた者達の胸を無念の痛みで切り裂く。 街を覆いつくした巨大な魔獣は、中枢制御の依り代とされた少女の、あっけない死によって消滅が始まっていた。 初めに消滅したのは魔獣が生み出した数多くの分身体と魔獣が召喚した無数の魔獣達。 そして千を超える攻撃手と続き住宅地の上空一杯に広がった胴体も消えていった。 まるで朝霞のごとく。 分解消滅は急速で、やがてなのはとシンの居る胴体中央部も霧のように掻き消えていった。 先刻までの激戦が嘘のように魔獣は消えた。 そして残るのは……シン・ガクが“殺した”少女の姿が現れる……。 なのはその姿を認めるや、涙を拭わず直ちに少女の元へ駆け寄る。 一塁の望みで応急蘇生行おうとしたが、無理だった。 完全に死んでいた。 シン・ガクの、文字通り命を削った必殺の一撃は全てを撃ち貫く。 依り代となった哀れで幼い少女の心臓のみ、完全に穿いたのだ。 なのはすでに事切れた少女を抱きしめ、あらん限りの声で泣き叫んだ。 初めて人の死。それもまだ幼い少女の死を目の前にし、哀しみ啼いた。 「あああああッ!ああああああああああッッ!!」 少女の亡骸の血で、なのはの純白のバリアジャケットが紅く染まる。 「どうしてなの…………この子は生きてたんだよ……助けられたかもしんないんだよ?……助けを求めてたんだよ!!なのに……なんで、なんで殺したのッッ!!ああああああ……」 近くに来た者に、少女の悲痛の叫びに誰も答えることができない。 なのはも誰に向って叫んだのか判らない。 魔獣と融合を確認し『最終決定』を下した時空管理局本部か? それとも彼女に手を下したシンにか? シンは、無限増殖する魔獣胴体上で、襲い掛かる攻撃手、召喚獣、分裂体全ての攻撃の全てを凄まじき精神力で耐え、少女救出のために危険な直接接触によるスキャンで胴体内の詳細なデータを送信し続けた。 シン・ガクは少女にデバイスを向けた同じ場所に居つづけ、なのはの方に顔を向けず、その叫びを聞いていた。 その表情は、眉を顰め歯を食い縛った、苦痛の顔だった。 普段の彼なら絶対に見せない顔だ。 おそらくどんな深手を負っていても、少女の命が救えていれば「どうということもなく」とにべもなく言い立ち去るだけだったろう。 彼は、己が何をしたのか認識していた。それ故動けずにいたのだ。 如何なる攻撃も負傷も歩める理由としないのが彼の理念であったが、動かなかった。 衛生班が到着するまで傷口から血を流しつつ立ち続けた。すでに足元には血溜まりができていた。 なのはは、やがて泣き止んだと思ったら、呆然とした表情で少女を抱き上げ、うわ言のように言葉を繰り返しながら歩き出した。 「……謝りに行かなくちゃ……。この子のお母さんとお父さんに謝りに行かなくちゃ……」 衛生班と共に来たシャマルがなのはのもとに駆け寄り、彼女を制止する。 「ダメよ、なのはちゃん!落ち着いて!その子を降ろしてあげて!誰か!誰か!鎮静剤を誰か、早く!!」 古代遺物管理部機動一課所属の医療班が手際よく錯乱する少女に鎮静剤を打った後、すみやかに遺体を引き剥がしてボディー・バックに入れ運び出す。 シャマルは不憫に思った。おそらくあの子は検死で徹底的に調べられるだろう。 なのはがそれを聞いたら、きっとまた泣くだろう。 リハビリが終って現場復帰してから一年も経っていないのにこの悲惨な結末……。 ひょっとしたら今度こそなのはは駄目になるのかもしれない。 タンカに乗せられたなのはがヘリに乗せられ設備の整った病院へ行くのをを見送りつつ、シャマルは思った。 だが思い悩んでも仕方がない。 この後の実況見分その他を速やかに行わなければならないことにシャマルは頭を痛めた。 重傷を負わせられた一課第三突入小隊の前衛要因が一課のヘリへ、全く何事もなかったように歩いて行くのを見てシャマルは自分の認識を再確認した。 やはり機動一課は凶犬の集まりなのだと。 目次へ 次へ